モノマネ注意! 実は大間違いのセールス法って?
「断らせないように説得する」
あまりにしつこいと嫌がられるのは、当たり前のこと。あの手この手で「買わせようとする」トークに、客は嫌気がさしてしまう。「検討して、また来ます」と言ったお客は、二度と顔を出さないはずだ。
「プレゼンにすべての力を割く」
「プレゼンテーションに力を入れれば、必ず売れる」というのは大ウソ。どんなに素晴らしい提案でも、客の要望も聞かずに作り込んだプレゼンはバクチに近く、自己満足で終わってしまうことが多い。
「とにかくマメに連絡する」
「マメに顔を出す」「マメにはがきを出す」ことは、確かに効果的。しかし、継続性に難があり、先方に迷惑がられる危険性も。接触頻度を重視するより、一度の接触に力を入れた方が効率がいい。
「ことさらに熱意をアピールする」
休日返上で情報を集めたり、雨のなかで何時間も待ったり…。こうした“感動セールス”には愛される人柄や高度なテクニックが必要で、誰もができるものではない。その多くが無駄な労力を使うことになる。
「人柄を売りものにする」
人柄はセールスマンの重要なポイントだが、「商品の前に自分を売り込め!」という手法は通用しなくなっている。人柄だけでモノが売れるような、余裕のある時代は終わった、と考えたい。
「心理操作で買う気にさせる」
“欲しい気にさせる”心理操作のテクニックはあるが、付け焼刃で効果が出るものではない。そもそも特定の商品を買わせるために心理的手法を悪用してはいけないし、それが顧客満足につながるはずもない。
「売り急ぎ」厳禁!セールストークのシミュレーション
目的意識のないセールストークと、佐藤さんが提案する「客の要望を掘り下げる」というポイントを押さえたセールストークでは、いったいどんな差が出るのか? 下記の4つの条件を把握した上で、OKパターンとNGパターンの例を見てみよう。
客と営業担当のやり取りを簡略化してまとめてはいるが、「思い当たる節がある」というセールスパーソンも少なくないはず。今日から「OKパターン」を意識して、結果を出していこう。
条件1:客は「良い物件」を求めている
条件2:客にとっての「良い物件」の条件は、「 教育環境が充実している」、「スーパーに近い」、「安い」だが、客自身はそれを正確には認識していない
条件3:営業担当は客が求めるエリアの「良い物件」を勧めようとしてるが、そのセールスポイントを「広くて安い」、「病院に近い」と認識している
条件4:営業担当が勧めようとしてる物件は、実はそれなりにスーパーに近く、近年で教育環境も充実しつつある
<NGパターン>
客:このあたりで、良い物件を探しています。
営業:運がいいですね!広くて、とても割安な物件があるんです。いかがですか?
客:周りにはどんな施設がありますか?
営業:大きな病院が近くにありますから、何かあったときも安心ですよ。
客:妻と相談してみます。
⇒「良い物件」という言葉だけを頼りに、客の要望を丁寧に掘り下げず、自分が売りたい物件のアピールに終始してしまっている。これでは、契約が成立しても運がよかっただけで、本当の顧客満足にもつながらない。