perfume(スタイリスト:Shinichi Miter (KiKi Inc.)/へアメーク:福間友香(ヴァニテ)/メイクアップ:大須賀昌子)

 圧倒的なライブパフォーマンスで見せる、新エンターテインメント推理番組『ザ・マスクド・シンガー』が、Amazon Prime Videoで配信中。同番組は、全世界50カ国で視聴されている音楽ライブエンターテインメントの日本版となるオリジナル作品。マスクをかぶった12人のマスクドシンガーたちのパフォーマンスや歌声、ヒントを基に、マスクの中の有名人を推理することを楽しむ。パフォーマーを予想するパネリストとして出演するPerfumeの3人に、番組に参加した感想や推理のポイントなどを聞いた。

-パフォーマーたちのパフォーマンスを目の前で見て、どんな感想を抱きましたか。

かしゆか マスクをした状態でパフォーマンスをするのはすごく難しいことだと思いますが、皆さんのパフォーマンス力が素晴らしくて魅了されました。聞きほれているうちに終わってしまうので、推理するのも忘れちゃうんです(笑)。ただただ歌の力に引き込まれる場面がたくさんありました。

あ~ちゃん 楽しかったよね。私たちもライブをできない期間がありましたが、今回、“ライブ感”を肌で感じて、震え上がるような高揚感を味わえて、お金を払いたいぐらいでした(笑)。それぐらい、普段は会えないような著名人の方たちが歌っています。

のっち 回を追うごとに、“中の人”のファンになっていくんですよ。歌やパフォーマンスに対する情熱、一生懸命練習したことが伝わってきて、ステージへの熱意に感動しました。

-番組では、パフォーマンスを見ながら、それぞれの推理を口にしていましたが、どんなところに注目して推理をしていたんですか。

かしゆか 私は、歌い方の癖やパフォーマンスをしているときの動き方、リズムの取り方を見ていました。パフォーマーの方の中には、普段は歌の仕事をあまりされていない方もいたので、声だけで判別するのは難しかったんです。

のっち 本当に、パフォーマンスだけを見ていても分からないよね。ただ、マスク(コスチューム)が大きいと動きにくいと思うんですが、その動きづらささえもパフォーマンスに生かしている方をみると、慣れている方なんだなと感じましたし、動きもポイントだと思っていました。

あ~ちゃん リズムの取り方も(その人の個性が)出ていました。やはり、普段から歌を歌っていない人は、緊張すると早どり(音に対して歌や動きが早くなってしまうこと)になってしまいやすいんです。そうすると、普段は歌を仕事にしている人ではないんだなと予想できたり…。あとは、表情が出せないので、歌心を動きに反映させないといけないのですが、やっぱり歌手の方は表現がうまい。このキャラクターは物語から飛び出してきたのかなと思うぐらい、その歌の感情も表現されていて素晴らしかったです。逆に、話をするときのしぐさや所作で初々しさを感じて、普段は舞台で話をされない人なんだなと感じることもありました。

-印象に残っているマスクドシンガーは?

かしゆか 私は、バードさんです。一声目から鳥肌が立って、世界に引き込まれる感じがありました。バードさんは歌う楽曲の曲調によって演出を変えていたんですが、その見せ方がすごくうまくて、毎回、魅了されていました。

あ~ちゃん 私はMissテレビジョンです。カリスマ性があって、どの楽曲を歌ってもMissテレビジョンの歌になるんです。マスクをかぶっていてもあふれ出てくる才能にほれ込みました。自分も今、歌手をやらせてもらっていますが、こんな歌手になりたかったなっていう憧れが詰まった方です。パフォーマンス一つ取っても、ステージの使い方などが群を抜いていて、レベルが高いことものを見せてくださったので、それも乞うご期待です。

のっち 私はニンジャさんです。ニンジャさんのことは、収録のたびに有名人の名前を書いて予想していたのですが、(名前を書いた)全部の人に見えるし、でも誰にも当てはまらないようにも感じて、不思議な方だと思っていました。歌もうまくて、ダンスも踊れて、トークも上手なので、何者なんだろうって。最後の最後に顔を出すときまで惑わされていました。

-マスクドシンガーとして出てみたいですか。

あ~ちゃん 出たい~!

かしゆか 出るとなると1人ですよね? 私たちはいつも3人でステージに立っているので、1人だとものすごく緊張しそうです(笑)。でも、2人の新たな一面が見られるかもと思うとそれも見てみたいです。

-メンバーの誰かが出たら、すぐに分かりますか。

のっち (番組に出演した)歌手の方の中には、普段、歌う声とは違う声質で歌う曲を選んでいる方もいらっしゃいましたが、それでもメンバーなら分かると思います。

あ~ちゃん 分かりたいよね、そこは(笑)。でも、声を聞いてもその人が思い浮かばないということが実際にあったので、マスク姿だと難しいかもしれない(笑)。

-この番組を通して、アーティストとしてどんな刺激を受けましたか。

あ~ちゃん 今回、専門家の監修の下で徹底した感染症対策を行って撮影をしたので、私たちはもちろん、あの場にいたお客さんも何度もPCR検査を受けています。そこまでしないと、以前と同じような形でライブを実現することができない状況でした。今は、そうやってルールや時代が変わって、“普通”も変わりましたが、それを新しい時代だと捉えて楽しんでいけたらいいなと思っています。8月には、私たちも有観客のライブを行いましたが、1万2千人が入る会場に5千人の観客を入れた公演でした。そのときは、その状況を逆手にとって、アリーナ席を全部ステージにして、お客さんが上から見てもらうのが一番美しい演出作り、これまでやったことのない思い切ったステージの形にしました。ルールに縛られてがんじがらめになるのではなく、自分たちが楽しんでいける方向を見つけて進んでいければいいなと思います。今回、マスクドシンガーの皆さんの情熱や心が震える瞬間を肌で感じて、やっぱり私たちも「届けたい」と思ったので、ライブは必ず続けていきたいと思っています。

(取材・文/嶋田真己)