ケッチ ケッチ

先日の東京オリンピック開会式で話題を集めたピクトグラムのパフォーマンス。その“中の人”を務めたHIRO-PONと20年間、パントマイム・デュオ「が~まるちょば」として活動した相棒のケッチが、デュオ脱退後初となるソロ公演、フィジカルコメディ舞台「ケッチスケッチ」を11月27日(土)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演する。駆け出しのソロパフォーマーだった頃、初めて遠征したのも兵庫県だった。偶然の巡り合わせに「いいスタートが切れそうな予感!」と声を弾ませるケッチが、報道陣を前に見どころを語った。

フィジカルコメディ舞台「ケッチスケッチ」 チケット情報

が~まるちょばのサイレントコメディに対し、ソロ活動では「フィジカルコメディ」を掲げる。「シンプルだけど面白おかしいものを、言葉を使わず、身体表現で見せていく。技というよりもやっている僕を見てもらいたい」。カバンの空中固定、エスカレーターなどピエロでもお馴染みのパントマイムやクラウニング、さらにジャグリング、手品、即興の要素も盛り込みながら年齢や国籍を問わないパフォーマンスを展開する。「例えばマスクが中々手から外れなくて四苦八苦するとか。小さなことを一つずつ大切に、いまを生きるみたいな演技方法が好きなので多く取り入れたい」。何より得意なのがお客さんを巻き込んでの即興パフォーマンスだ。代表作「ペットボトル」はDX版をお届けする。

2019年3月31日にが~まるちょばの脱退公演を終えると、4日後にはドイツで生活していた。その後、イギリス、フランス、イタリアを回り、フィジカルコメディについて学び直し、並行してワークショップや大道芸を行った。2020年3月からはフィジカル面の演出家としてオーストラリアの劇団で働き始めたが、間もなく新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて緊急帰国となった。時期こそ早まったものの「海外でソロのやり方を確立できたら日本でもやりたいと思っていたので。今回は海外で学んだことをショーに入れ込みながら、いま持てるエネルギーのすべてを出し切りたい」と気合十分に本番に挑む。

子どもたちにも笑顔を届けたいと、下は4歳から入場可能とした。「まずは楽しんでいただきたいなというのが一番です。家に帰って真似できそうなこともたくさんあるので、ご家族に見せたり学校で真似したり。道具がほとんどなくても面白いことができるねと、楽しく朗らかに帰っていただければ。舞台上で大声を出すこともないですし、ご家族で安心して観に来ていただけたらと思います」。

公演は11月27日(土)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。チケット発売中。

取材・文:石橋法子