河原崎國太郎

創立90周年を迎える老舗劇団・前進座と、映画監督の山田洋次との2回目の共作となる新作舞台『一万石の恋 ~裏長屋騒動記 愛の仮名手本篇~』が、9月29日、大阪・文楽劇場で開幕した。
稽古入り前のインタビューで、その脚本を「会心の作」と言っていた山田監督。一万石の弱小藩のお殿様が、偶然長屋の娘に恋をしたことから武家と長屋が大騒動になる喜劇。落語の「妾馬」が原案だが、お殿様の側室になり大団円となる落語とは違い、娘には心に決めた相手がおり、殿様の求愛を断ったらどうなるか・・・と原作にはない物語を発想した。歌舞伎狂いの殿様と長屋の老婆を、河原崎國太郎が二役で演じるなど、前進座らしい趣向が楽しい。
コロナを思わせる「コロリ」の騒動も取り入れ、劇場は笑いで沸いている。
絶賛上演中。