昨年5月に単行本1巻が発売されてから、6巻までの累計は150万部を発行している「鬼灯の冷徹」。まだアニメ化されていない状態にもかかわらず、グッズの売り上げは絶好調。また、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」では1位を受賞するほどの人気っぷりで、特に女性読者から高い支持を得ています。
そんな世間の注目を浴びている「鬼灯の冷徹」のあらすじは、「あの世には天国と地獄がある。地獄は八大地獄と八寒地獄の二つに分かれ、さらに二百七十二の細かい部署に分かれている。そんな広大な地獄で、膨大な仕事をサラリとこなす鬼神。それが閻魔大王第一補佐官・鬼灯である」といった、主人公「鬼灯」を取り巻く地獄の日常をシュールに描いたブラックコメディ。
主人公の鬼灯は、さすが鬼神のなかでトップの地位にいるだけあって、部下の獄卒(※地獄に落ちた亡者を痛めつける仕事)はおろか、上司の閻魔大王からも恐れられる仕事の鬼です。三白眼で額には一本の角が生えており、相手が誰であろうと金棒でブンブンと殴ることが日常茶飯事な鬼灯は、まさに“冷徹なドS”の名前にふさわしい人物と言えますよね。
実際、この手の人物が職場にいたら顰蹙を買いそうですが、どういうわけだか。彼は作中の女性たちにも、現実の女性読者たちにもモテモテ。部下、上司ともにも厚い信頼を寄せられています。一体彼のどんな部分に魅力があって、心を惹きつけるのか。今回は鬼灯が女性たちにモテる理由を、原作の「鬼灯の冷徹」(著:江口夏実 講談社刊)1巻~7巻を参考にしながら探っていきたいと思います。