いまBL(ボーイズ・ラブ)と呼ばれる、男同士の恋愛をモチーフにした小説や漫画が話題になっています。この手のジャンルを愛好する女性は「腐女子」と称され、なかには彼氏や夫をそっちのけで、BLに夢中になっている女性もいるくらいです。
なぜならBLは、いわば「男同士をテーマにした少女漫画」であり、登場するキャラクターはみながこぞってイケメン、美少年ばかり。よって、「私も格好いい男の子に、こんなセリフを言われてみたい!」とときめいたり、男女の関係とは一味違った“男同士の関係性”を見られることで、あたかも人の恋を覗き見しているような楽しみ方をしている女性が多くいるのではないでしょうか。
そんなBL界に、「攻め」と「受け」があることは、BL初心者のみなさんにもお馴染みですよね。攻めとは、いわゆる男女の恋愛関係においての男役。受けとは、その反対の女役を意味します。
ですが、誤解をしてはいけません。BLの世界は、単に「攻め」や「受け」だけに留まらず、腐女子が夢中になるその“萌えの種類”はまだまだ数多く存在するのです。
そこで今回は、ウレぴあ読者に聞いた『【BOYS LOVE コミック】あなたにとって“萌えキャラ”の属性は?(投票期間:2013年01月07日10:00〜)』を参考に、実際のBLコミックを取り上げながら、腐女子が萌える“キャラ属性”の魅力についてご紹介したいと思います。
■ 正統派BLの極み!メガネは優等生キャラクターの必至アイテム
上記の投票結果で堂々たる1位(10.07% ※以下、すべて1/25時点での集計になります)を獲得したのは、優等生キャラクターの必至アイテムとも言える「メガネ」。そこで私が取り上げたのが『同級生』(著:中村明日美子 茜新社)です。
あらすじは、「合唱祭前の音楽の授業中、同級生でメガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気づいた草壁光。佐条は歌なんかくだらないのかと思っていたが、ある日の放課後、誰もいない教室でひたむきに歌の練習をする彼の後ろ姿を目にした草壁は思わず声をかける……」といった、BLでは王道の学園モノ。
メガネをかけているのは受けの佐条君ですが、彼は非常に成績優秀にもかかわらず、高校入試の際に電車内で倒れてしまい、希望する志望校は全滅。結果、名前が書ければ合格できる県下有数のおばか学校に入学することになった、いわば繊細系インテリメガネ男子です。
一方、攻めの草壁君は、音楽(ギター)の才能に恵まれながらも、佐条君が京都大学を受験すると知った時、「京都大学は京都にあるのか?!」と自身のおバカっぷりを晒すほか、男同士で付き合うなんて何のその、と考えている楽天的おバカ男子。
一見して、似ても似つかないふたりですが、佐条君の神経質な物の考え方を草壁君がいい塩梅(アホさ加減?)でガス抜きをしてくれているのが、この作品を語るうえでキーポイントになる部分です。特に、それが顕著に表れているシーンが佐条君の全統模試当日の出来事。
草壁と喧嘩別れしたことを思い出して、はたまた電車内で気分を悪くしてしまう佐条君。慌てて駆けつけた草壁君ですが、佐条君は過去の失敗によるプレッシャーからか。また試験に落ちてしまうのでは、と狼狽する横で、草壁君が「いいじゃん、落ちても」と声をかけます。
「だってさ、佐条がそーゆう頭いー高校、落ちてくれたからさ。同級生になれたんじゃん、俺タチ」