■ 男らしいヤクザが見せるツンデレ具合にもうメロメロ!
最後に、投票結果の3位(9.06%)を獲得したのは「ツンデレ」。そこで私が取り上げたコミックは、『兎オトコ虎オトコ1』(著:本間アキラ 心交社)です。
あらすじは、「大学病院に勤務する医師の卯月は、ある夜、成り行きから銃槍を負ったヤクザの野波を助ける。次の日、病院に現れた野波に、銃槍を見られたことを口封じにきたのではないかと恐れる卯月。しかし、野波はそのとき名乗った卯月を『スズキ』という女性だと勘違いしており、その女性に惚れたからと舎弟を強引に入院させ、院内で『スズキ』捜しを始めるが……」といった、強面のヤクザ組長×臆病なお医者さんのカップリング。
一般的にヤクザといえば、「怖い」「凶悪」といったイメージを抱くように、攻めである野波は男らしさが人一倍際立ったキャラクターです。そんな野波を射止めたのが、受けである童顔で可愛い外科医の卯月。
タイトルにもあるように、まるでふたりの関係は虎と兎のようで、兎である卯月が虎である野波の言うことに一切逆らえないのは言うまでもありませんよね。しかしだからといって、野波が卯月のことを蔑ろにしているわけではありません。なぜなら野波は卯月が男だと分かっていても、おのずと好きという感情が湧き出てきてしまうからです。
「まてまてまて……。俺は、男はおろか、ロリコンのシュミなぞ、持っとらんぞ。なのになんで、こう……ムラムラと……」
「好きだとか、愛してるとか、そんなありきたりな言葉じゃあ、片付けられねんだよ。この気持ちはよ」
普段は、「こんな時に(電話)かけてくんじゃねえよ!シバくぞ、コラァ!?」と荒々しい声を上げる野波が、卯月を前にするとこんなにも動揺して、歯が浮くようなセリフを吐いてしまうのは、文字通り“デレ”以外の何物でもありませんよね。
片や受けの卯月も、普段は野波に対してビクビクしていながらも、内心満更でもない気持ちが会話の節々に見え隠れしています。
たとえふたりの上下関係が虎と兎にもかかわらず、徐々に惹かれ合っていく様は、間違いなく腐女子にとっての萌え!なにより兎が可愛いと思うのは誰もが感じることですが、あの凶暴な虎が一瞬でも可愛いと思えてしまうのは、このカップリングだからこそ成り立つ魅力だと思います。
■ メガネ、黒髪、ツンデレは、BLでは鉄板のキャラ属性!
今回、取り上げたコミックもさることながら、投票結果のトップ3を獲得した「メガネ」「黒髪」「ツンデレ」は、BLでは鉄板の萌え要素です。また、キャラ属性と舞台背景、ストーリーが変化することで、様々な男同士の関係性を楽しむことができるのは、まさにBLならでは特色と言えるでしょう。
今はまだ初心者の方も、腐女子歴が長い方も、ぜひこれらのキャラ属性に注目してBLの世界を楽しんでみてくださいね。