ディズニー長編アニメーションの記念すべき60作品目、『ミラベルと魔法だらけの家』が、2021年11月26日(金)にいよいよ公開されます!
監督は 『ズートピア 』では共同監督としてタッグを組んでいた、バイロン・ハワード監督とジャレド・ブッシュ監督。
そして音楽を手掛けているのは、『モアナと伝説の海』でもアカデミー賞®にノミネートされた実績を持つ、リン=マニュエル・ミランダです。
まさに60作目という節目に相応しい豪華な布陣です!
ちなみに50作目は『塔の上のラプンツェル』なのですが、こちらもバイロン・ハワード監督が共同監督として製作に参加しているんですよ。
そんな『ミラベルと魔法だらけの家』の主人公ミラベルは、今までのディズニー作品に登場するどんなヒロインとも違います。
特別な“魔法のギフト”を持った家族の中で、唯一その力を持たないミラベル。
「特別じゃないミラベル」が、映画を通して「特別じゃない私」に教えてくれたことを、お伝えしたいです。
なお、割とネタバレが含まれるので注意してください!
誰もが「特別」な世界で唯一「特別じゃない」ミラベル
この映画の舞台は、南米コロンビアの山奥にある「エンカント」と呼ばれる魔法の力に包まれた不思議な家です。
この家に住むマドリガル家は、家長のアルマおばあちゃんをはじめとした12人の大家族です。
婿養子に入った男性ふたりを除き、マドリガル家に生まれた人は、それぞれ5歳になると家から“魔法のギフト”と呼ばれる特別な力が授けられるのでした。
ですが、5歳になったミラベルに、魔法のギフトは与えられませんでした。
そんなミラベルが、魔法が失われかけた世界と家族を救う唯一の希望になる──というストーリーです。
はじまって30秒! きっとミラベルを好きになる
ミラベルは、きっと誰もが好きにならずにいられない女性です。
実際私も、映画が始まって30秒でミラベルのことが大好きになりました。
しかし、物語の中でアルマおばあちゃんは、魔法のギフトを持たないミラベルにきつく当たります。
家族みんなが持っていて、自分だけが持っていない特別な力。
もし私がミラベルだったら、性格を拗らせて、あの美しい家を崩壊させることを選びます。
世界なんて、救いません。
それでもミラベルは、あの魔法の世界を、奇跡を救う道を探します。
どんなことがあっても、家族を、あの家を愛しているから。
私からしてみれば、この行いが出来るだけでミラベルは十分特別だと思うのですが、それでもやはりミラベル以外の家族が特別であるということは、避けられない事実です。
応えられない家族からの期待
そんな「特別じゃない」ミラベルは、誰にも負けない愛と勇気と知恵を持っています。
王族生まれのプリンセスでもありませんが、誰からも愛される素晴らしい女性です。
ですが、やっぱり辛いですよ、家族の期待に応えられないのは。
どれだけ頑張ったところで、家族の望む「特別」になれないなんて、考えるだけで胸が苦しくなります。
愛しているなら、なおさら。
家族とは、一番距離の近い他人です。
家族だからって分かり合えるとは限らないし、家族だからって無条件で愛せるものではありません。
愛せない家族がいてもおかしくはないと思います。
それでも、もしかしたら愛せたかもしれないと思うとなぜだかとても悲しくなるし、一番分かり合いたいのはやっぱり家族だし、愛し合いたいのも家族なんですよね。
自分だけが持つ特別なギフト
そんな環境の中で、誰にも負けない愛と勇気と知恵を持ち続けているミラベルは、やはり私から見ても特別な女性です。
魔法のギフトを持っていなくても、「役目」に押しつぶされそうな人に手を差し伸べることや、大切な人をハグすることはできる。
「愛」と「勇気」さえ、持っていれば。
愛と勇気を誰もが持っている、人類の標準装備だと言うつもりはありません。
ですが、今自分の胸に手を当ててみて。
誰かやなにかを大切に思ったり、結果はどうあれ勇気を出した思い出が自分の心の中にあるのなら、それは魔法が身近にないこの世界で、自分だけが持つ特別なギフトです。
映画を通して、ミラベルはこんな当たり前で、忘れがちな事実を私に教えてくれました。