「バツイチの男性を好きになり、彼も私に好意を持ってくれているのはわかるけれどなかなか先に進めず、悩んでいました。
離婚で苦しみ『恋愛にはまだ臆病で』と言ってくれたことがあり、仕方ないと思ってもやっぱりちゃんとお付き合いしたくて。
彼の好きなものをプレゼントしたりデートに行くときは家まで送迎したり、あれこれ尽くしたのですが彼のほうが私に何かしてくれることはなくて、寂しかったですね。
あるとき、ランチに行く約束をしていたのですが私が朝から熱を出してしまい、申し訳ないと思いながらキャンセルの電話をしました。
鼻をすする私の様子に、彼が『大丈夫? 薬や食べるものはある? 俺にできることは?』と聞いてくれて、『お大事に』で会話が終わると思っていた私は本当にびっくりして。
思い切って薬と飲み物をお願いしたら、すぐ届けてくれました。
私は普通の状態じゃないし、玄関先でしっかりお礼を言って帰ってもらうのが正しいとわかっていても、彼が歩み寄ってくれたチャンスを逃したくなかった私は部屋に入ってもらいました。
『いつも俺のためにいろいろとやってくれているし、こんなときくらいは役に立ちたい』
と彼に言われ、『本当に助かった、ありがとう』と言うと肩の力が抜けたように笑ってくれました。
そのとき、『何かするばかりじゃなくて、甘えるのも大事なんだな』と気が付きました。
部屋に上がってもらってよかった、彼が本音を口にするタイミングを作れてよかったと思います。
それ以来、尽くすより一緒に話し合うことを考えて、気持ちを確認するようにしてから彼も積極的に誘ってくれるようになりました。
素を見せてくれないときって、もしかしたらこちらにその隙がないのかもしれないですね」(35歳/営業)
好きな人に尽くしたいと思う気持ちは決して間違いではありません。
一方で、受け取るだけで精一杯になり、応え方がわからなかったりタイミングを逃したり、素で接する機会を相手はつかめないこともあります。
ふとしたことで“甘えてもらえた”ときが、相手にとっては本音を伝えるチャンスになるのですね。