超モンスター級の“痛男”を演じた岡田将生

 映画『伊藤くんAtoE』の完成披露試写会が21日、東京都内で行われ、出演者の岡田将生、木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆、中村倫也、田中圭と廣木隆一監督が出席した。

 本作は、容姿端麗、自意識過剰、無神経な28歳のフリーター伊藤誠二郎(岡田)が、女性たちの運命を狂わせていくさまを描いた恋愛ミステリー。

 劇中で、超モンスター級の“痛男(いたお)”を演じた岡田は「こういう役を望んでいたので、オファーを頂いた時はラッキーだと思ったのですが、思った以上にヤバい奴でした」と語り、苦笑いを浮かべた。

 岡田は「今までとはちょっと違うような役をやりたかったというのが正直なところ。こんなにクズで駄目でアホなやつとこの夏を(撮影で)過ごせたので、すごく気持ちよかったです」と満足げに振り返った。

 最強の“毒女”こと、崖っぷち脚本家の莉桜を演じた木村も「こんなに女であることを“痛い”と思わせてくれる作品はなかなかない」と本作の魅力に触れ、「人をあざ笑っていた莉桜ですが、いずれその矛先が自分に向いてくる。廣木さんがニヤニヤしながら『全部自分に帰ってくるからな』と言っていて、それだけが怖かったです」と撮影時の心境を打ち明けた。

 劇中では“都合のいい女”を佐々木、“自己防衛女”を志田、“ヘビー級処女”を夏帆、“愛されたい女”を池田がそれぞれ演じた。改めて「伊藤に振り回れてどうだった?」と聞かれ、佐々木が「すごく嫌な気持ちになりました」と語れば、志田も「圧迫感がすごかったです」とコメントした。

 池田が「関わりたくないですよ」と吐き捨てれば、夏帆も「すごく傷つきました」、木村も「この野郎って思っていたよ」と続いた。役柄とはいえ、女性陣から責め立てられた岡田は、いたたまれないような表情を浮かべ、観客の笑いを誘った。

 また、伊藤くんにちなみ「今年一番痛かった話」を披露することになった。岡田は車を運転中に小学生数十人に囲まれてしまったエピソードを告白した。

 「『お兄ちゃん、知ってるから出てきて。名前なんだっけ?』と聞かれて。ずっと下を向いていたのですが、すごくぶざまで、小さく『岡田将生です』と言いました…。本当に悲しかったです」と嘆いた。

 佐々木は「ちょっと前にアニサキスがはやったじゃないですか。その時期に被害に遭いました。1匹でしたがものすごく痛かった。皆さんもお刺身には気をつけて」と呼び掛けた。

 映画は2018年1月12日から全国ロードショー。