今年も東京版ミシュラン発売の時期がやってきました。「関係ないよなー」と思っても、職場などで話題にのぼれば、なにかコメントをしないわけにはいかないもの。
11月29日(火)の発表パーティで壇上にならんだ3つ星シェフたち。ほぼ和食。
そんなときに困らない、なおかつちょっとリスペクトされる3つのセリフをお教えしましょう!
その1「ミシュランはイタリアンがきらいなんだよ」
日本版のミシュランガイドは、創刊当初から圧倒的にイタリア料理店が少ないのです。かわいそうなくらいに。推測するに、そもそもフランス人はおいしいイタリア料理を食べたことがない。フランスでパスタを食べたことがある人ならわかると思いますが、ほぼすべて茹で過ぎです。決してかの地でパスタを頼んではいけません。
フランスとイタリアが隣国というのも原因のひとつでしょう。わかりやすくいえば、警視庁と神奈川県警の仲の悪さを思い浮かべてください。隣同士はどうしても張り合ってしまって、なかなか尊敬にいたらないのです。
その2「ミシュランは日本料理にリスペクトがあるんだよね」
一方、日本料理店は70店以上が掲載され、フランス料理店をしのいでいます。ここにはフランス料理界と日本料理の深いつながりがあります。70年代、日本に本物のフランス料理を紹介した辻静雄の尽力により、多くのスターシェフが日本を訪れ、辻が経営する辻調理師専門学校で数々の技術を日本人に伝授しました。そのおりに京都「吉兆」などで食べる日本料理の奥深さ、繊細さに彼らは驚き、帰国後に自身の料理にそのエッセンスを取り入れ、今までの重いソースではなく、素材を活かした軽やかな料理をつくりあげます。
これこそがフランス料理の一大革命といわれた「ヌーベルキュイジーヌ」なのです。
以来、フランス料理のシェフは日本料理が大好き。だからこそ、日本版ミシュランには、多すぎるくらいの和食店が並ぶわけです。
その3「まあ、けっきょくは外国人向けガイドだから」
「この店に星なんて信じられない!」と叫んでいる人がいたら、静かにそう言ってあげましょう。そもそも、高尾山に3つ星をつけたことで有名なミシュラングリーンガイドの出版は、“ビジット・ジャパン”事業を展開する日本政府観光局(JNTO)の要請によるところが大きいのです。
外国人が喜ぶ店という視点で見ると、とても納得できるお店が並んでいます。オリエンタルであり、エキゾチックであり、でもワインは充実してるもんね、というラインナップです。
いかがでしょうか。上記3つのセリフで、職場の尊敬を集められることは間違いありません。
そしてもし、話しているうちにレストランに行きたくなったら、日本人による日本人のためのレストランガイド『東京最高のレストラン2012』をどうぞ!

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