3.魔法の家「カシータ」が可愛い!
主人公ミラベルと、彼女を取り巻く家族、そして第二の主人公とも言えるのが、魔法の家の「カシータ」。
ミッキーマウスの短編に時々出て来るホットドッグ、『アラジン』の魔法の絨毯、『モアナと伝説の海』に登場する海など、無生物に命を与えてキュートに見せるのは、昔からディズニーお得意の手法ですよね。
カシータも、アラジンをサポートする魔法の絨毯のように、ミラベルに寄り添い大活躍します。
“建物”という巨大な無機物でありながら、有能かつ可愛いヒロイン感を感じさせるの、凄くないですか。
カシータのキュートさや活躍ぶりにも、ぜひ注目してみて欲しいです。
4.飽きさせない舞台設定
本作の舞台は、原題にもなっているミラベルたちが住む「エンカント」ですが、物語のほとんどが魔法の家カシータの中で進んでいきます。
大家族が住む広い家なのは間違いないのですが、1つの家という、しかも室内から舞台をほとんど動かさないって、長編映画作品としては結構チャレンジングですよね。
ですが、範囲が限られた舞台にも関わらず、狭さを感じさせることもないし、視覚的にも全く飽きないんです。
無限に広がる、ドアの向こうの世界
魔法を持つ家族の部屋は、ドアを開けると、それぞれの魔法の能力に合わせた世界が広がっています。
花びらで埋め尽くされた広い空間だったり、奥まで広がるジャングルだったり…。
この、「ドアの向こうが無限に広く、かつ家の中とは思えない様々な世界観で溢れている」という工夫によって、飽きずに最後まで楽しめるんですよね。
また、ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』のように、家の裏側や内側まで、余すところなく使っており、ほどほどにアクションシーンなんかもあって、狭さを感じさせない演出に唸りました。
きちんと“家”そのものが舞台かつ、もう1人の主人公になってるんです。
原題の『エンカント』より、邦題の『ミラベルと魔法だらけの家』の方が、確かにしっくり来る感じ。
魔法に溢れた家がどんな形で出て来るのか、最後まで目が離せませんよ!
5.マドリガル家が全員推せる
マドリガル家は、家長のアルマおばあちゃんを筆頭に、3人の子どもたち、その配偶者、そして孫も6人おり、文字通り大所帯です。
これだけ人数が多いと、何人かはモブ化しそうなものですが、1人1人きちんとキャラが立っていて、全員推せるんですよね。
それぞれが持つ能力のバランスも良く、衣装や顔のデザインで、どの組み合わせが親子で兄弟か、ちゃんと分かるのも凄い。
完璧を求められ、それに応え続けたがついに爆発、自分らしく生きられるようになったイサベラや、内に秘めていた周りからのプレッシャーからついに解放され、肩の荷を下ろせるようになったルイーサ。
そしてもちろん、1人だけ能力を授からず、でも家族のために出来ることがあるはずと、けなげに明るく振舞う主人公のミラベルなど、家族の誰か1人には絶対感情移入できるはず。
筆者のお気に入りは、優しいミラベルの父アグスティンと、凄まじい聴力を授かった、いとこのドロレス!
吹替陣も人気声優が結集しており、それぞれに歌パートや見せ場もあるので、ぜひマドリガル家の“推し”を見つけてみて下さいね。
『ミラベルと魔法だらけの家』
2021年11月26日(金)公開