大ヒット公開中の、ディズニー長編アニメーション最新作『ミラベルと魔法だらけの家』。
思わず口ずさみたくなる楽しい音楽、色鮮やかな衣装に魅力あふれるキャラクターなど、本作の推しポイント5つを、映画好きライターが紹介。
ワクワクするホリデーシーズンに、とびきりハッピーが溢れる『ミラベルと魔法だらけの家』を、是非劇場で!
そこかしこに溢れる“魔法”にワクワク!
魔法の力に包まれた、不思議な家に暮らすマドリガル家。
家族全員が家から与えられた“魔法のギフト(才能)”を持つ中で、主人公ミラベルだけが、何の魔法も使えません。
本作はそんなミラベルが、家と家族に隠された秘密を紐解く、唯一の希望として立ち上がるといったストーリーになっています。
音楽を手がけるのが、舞台『ハミルトン』や、映画『モアナと伝説の海』のリン=マニュエル・ミランダということや、ディズニーが久々に真っ向から“魔法”を描くということで、公開前からかなり期待値が高かった本作。
実際に鑑賞し、これはオススメできる! と感じた“推しポイント”5つを、ご紹介します。
1.ゴキゲンなミュージカルナンバーの数々
音数が気持ち良い紹介ソング
公開前から期待していたミュージカルナンバーには、もう大満足!
まずは、冒頭で流れる家族紹介ソング「ふしぎなマドリガル家」。
とにかく大家族のマドリガル家の人たちを、それぞれの血縁関係や能力も歌詞に織り込みながら、ゴキゲンなグルーヴで実に上手く紹介してくれます。
冒頭からミラベルが「引き出し!」「ドア!」など、もう1人の主人公とも言える家そのものに呼びかけ、聴いている人を煽るような盛り上げ方にも、ワクワクが止まらない!
そして、後半の畳みかけるような早口パートも必聴です。
音数の多さが気持ちよく、つい真似して口ずさみたくなってしまいますよ。
今ドキなビートにハマる、ルイーサの歌
ミラベルは3姉妹の末っ子ですが、姉2人にもそれぞれミュージカルナンバーが用意されています。
真ん中の姉ルイーサの秘められた想いが分かる「増していくプレッシャー」は、現代曲らしいリズムがとっても格好良い!
振り付けも相まって、リン=マニュエル・ミランダ全開! といった雰囲気。
パワーに溢れた歌声なのに、歌詞の内容はとても繊細…といったギャップも良い。
映像も、『アラジン』の「フレンド・ライク・ミー」を彷彿とさせるような、2Dアニメにしても違和感のないような、賑やかで楽しい“アニメーション感”に溢れ、視覚的にも大いに楽しめます。
ラテンのリズムに溺れたい「秘密のブルーノ」
マドリガル家のタブーである“ブルーノ”が何なのか…と言うのは、映画を観てからのお楽しみにするとして、本ナンバーはラテン色が全開の楽しい楽曲。
本作の舞台であるコロンビアへのリスペクトも感じられ、思わず腰を左右に振って踊りたくなるようなラテンのリズムは、聴けば聴くほどハマってしまいます。
そして個人的な好きポイントとしては、歌い手の多さ。
『美女と野獣』の「朝の風景」のように、大勢の人の台詞や短い一節が重なり合って、ハモりながら一つのメロディーになる…といった楽曲が大好物なのですが、「秘密のブルーノ」は、それの最新版といった感じ!
何人かでカラオケで歌うのも楽しそうだなーと思わせるような、情報量の多さに、ぜひ注目してみて下さい。
他にも、いわゆる“I Want”ソングながら、前向きさが良い「奇跡を夢みて」や、長姉イサベラの“真の美しさ”がわかる「本当のわたし」など、前評判通り、音楽がどれも素晴らしかったです。
壮大なオーケストラに乗せて、悲痛な想いを大げさに歌い上げるような、ザ・ミュージカル!な楽曲でなくとも、きちんと音楽で楽しませてくれて、そういった意味ではミュージカルの真髄だな、と思いました。
鑑賞以来、字幕版と吹替版両方のサントラを、延々と聴く日々です…!
2.視界いっぱいに広がるカラフルな世界
ポスターを初めて見た時から、カラフルな色づかいに目を奪われましたが、本編の色彩デザインも素晴らしかったです。
ビビッドな色づかいや衣装、小物デザイン、全体の色彩を決めるカラースクリプトの感じも何もかも、全てがド好み!
洋服も家具も壁紙もドアも食器も、全てのデザインが可愛すぎて、グッズやコンセプトアート集がとにかく欲しい…と、鑑賞中からウズウズしてしまいました。
画面全体の隅々まで可愛くて、大画面で見られる劇場まで足を運んで、本当に良かった。
気が早いですが、早くBlu-rayのコマ送りで、1枚1枚の絵をくまなく見てみたいです。
衣装も細部まで凝ってる!
『アナと雪の女王2』でも、アナやエルサのドレスに施された刺繍など仕事の細かさに唸りましたが、本作でもそれが遺憾なく発揮されていました。
ミラベルの衣装、色味ももちろんですが、家族の能力を表現した、カラフルな刺繍が本当に可愛い。
イサベラも柔らかなオーガンジーの布地に、無数の花の装飾が施されていて、衣装でもキャラクターを語れるようなデザインの数々に、大興奮でした。
本作のデザインのほとんどを手がけたのは、ディズニーアニメーターのローレライ・ボーヴ氏(現在は退職されています)。
2010年代のディズニー長編アニメの多くに関わっていますが、特に印象的だったのは『シュガー・ラッシュ』。
キャンディ大王が住むお城のデザインを手がけ、スペインの建築家ガウディのデザインをモチーフに、実際にお菓子で模型を作った話は有名ですよね。
『不思議の国のアリス』や『シンデレラ』のメアリー・ブレアのように、一目でローレライ・ボーヴだ! と分かるようなデザインの数々を、ぜひ大画面で見てみて下さい。
視界全部がずっと幸せ…! な感覚を味わえますよ。