鹿賀丈史と市村正親が“夫婦”を演じるミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』が2022年3月、日生劇場で上演される。

ゲイクラブオーナーのジョルジュ(鹿賀丈史)と看板スターのザザ(市村正親)は、事実上の“夫婦”として生活していた。ジョルジュには、過去の過ち(?)から生まれた最愛の息子ジャン・ミッシェルがおり、アルバンが母親代わりに育ててきた。そんな息子が突然結婚を宣言してーー。今回、ジャン・ミッシェルを初めて演じる内海啓貴に話を聞いた。

「やはり緊張しましたが、今はそれを上回る楽しみの気持ちでいっぱいです。歴史ある作品に出演できること、偉大な先輩方と共演できることがとても楽しみ」と出演にあたっての思いを語る内海。2016年に上演された映像を観たことがあるといい「華やかで視覚的にも楽しめる作品。話が進めば進むほど、いろいろな愛の形が詰まっていて。メッセージ性がありつつも、明るく面白い作品だなと思いました」という。

主演の鹿賀と市村は劇団四季からおよそ50年の付き合いで、本作では08年から共演し、“最高のコンビ”と称されている。内海は「セリフを喋らなくても、立っている佇まいだけでその役が存在するし、役の年輪を感じさせますよね。本当に素晴らしい。勉強になります」と2人の印象を語った上で「緊張はしますが、舞台上では“親子”なので。ジャン・ミッシェルとしての思いを素直にお芝居でぶつけたいです。お二人の掛け合いや仕草の一つひとつを間近で何度も観られるのは貴重な時間。たくさん学びたいですね」。

ちなみに、内海にとっての“戦友”は、ミュージカル『GREASE』でも共演した三浦宏規だという。「ミュージカル『テニスの王子様』からの付き合いなので、もう5、6年になりますか。僕の芸歴の半分以上、一緒にいる(笑)」。

1月16日で27歳。今後の俳優としての目標を尋ねると「本当にいろいろな役をできることが役者冥利だなと思っています。30歳に向けて、『ラ・カージュ〜』もそうですが、いろいろなことを、いろいろな人や作品から吸収していけたら」と話す。今までは「素直な好青年」の役柄が多かったが、今後は「舞台上に出た瞬間に緊張感が張り詰めるような役をやってみたい」とも。

最後に観客へのメッセージとして、内海は「『ラ・カージュ〜』は僕も元気づけられたミュージカル。本当にハッピーな作品なので、楽しんで帰っていただけたら嬉しいです。ぜひ劇場の方へ足を運んでいただけらと思います観て頂きたいです!」と語った。

東京公演は3月8日(火)〜30日(水)。そのほか愛知、富山、福岡、大阪、埼玉を巡る予定。

取材・文:五月女菜穂