アダム・クーパー主演の海外ミュージカル『SINGIN' IN THE RAIN~雨に唄えば~』。ジーン・ケリー主演の不朽の名作映画を舞台化したもので、2012年にロンドンで誕生した“決定版”が東京公演を経て、2月18日(金)、遂に大阪初上陸を果たす。連日14トンもの雨をステージ上に降らせるダイナミックなステージ。有名なタイトル曲を口ずさみながら雨の中歌い踊り、恋をするアダム・クーパーがこの度、リモート取材に応じてくれた。コロナ禍での延期を乗り越え開幕した喜びと、大阪公演を待ちわびる観客に向けメッセージを送る。
ミュージカル「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」チケット情報
アダム・クーパーと言えば、英国ロイヤルバレエのプリンシパルとして活躍し、映画『リトル・ダンサー』やマシュー・ボーンの衝撃作『白鳥の湖』の主人公役などで一世を風靡したバレエダンサー。だが、子どもの頃の夢は意外にも「タップダンサー」だったと明かす。「6歳でタップを習い始めたのが最初で、その後バレエをやり、またこの作品でタップに戻ってきました」。子供の頃から、ジーン・ケリーやフレッド・アステアがヒーローというのもうなずける。「今作が僕にとって特別なのはジーン・ケリーの役を演じられること、それも彼のコピーではなく自分自身のバージョンとして。これはとても光栄なことです」。
物語の舞台は1920年代のハリウッド。隆盛を誇るサイレント映画だが、次第にトーキー(音声付き)映画の波が押し寄せる。スター俳優のドン(アダム・クーパー)は、表向きはカップルを装う大女優リナが悪声だったため、新作のトーキー映画は大不評。起死回生を狙い親友の作曲家コズモ、若手女優キャシーとの3人でミュージカル化を思いつくが、リナの声をどうするかが問題となって……。
コロナ禍の影響で来日や開幕の延期が続いただけに、いま観客を前に踊れることが何よりも嬉しいと語る。「来日できないかもしれないと思った時は沈んだ気持ちにもなりましたが、こうして開幕できて胸がいっぱい。スタッフ、キャスト含め感謝の気持ちでいっぱいです」。アダム自身は何度も大阪の地で公演しているだけに、今作も「きっと喜んで貰えるはず」と自信を見せる。「人生に光と(恵みの)雨を与えてくれるので、僕自身演じていて嬉しいですし、観る人に喜びを与えてくれる作品です」と笑顔で語る。
気付けば初演から公演回数は700回を超え、彼のキャリアの中でもっとも長く務める主演作となった。そんなドン役も、今回のツアーが見納めと聞けば、見届けずにはいられなくなるはず。
大阪公演は2月18日(金)から21日(月)までオリックス劇場にて。チケット発売中。
取材・文:石橋法子