キズナアイ「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”」

これまでキズナアイは、バックにリアルのバンドを携えたり、リアルのDJ/トラックメイカーと共演したり、バーチャルとリアルの垣根を超えたARパフォーマンスを繰り広げてきた。

しかし、この日は、完全にメタバースを駆使したパフォーマンスで統一。リアルタイムレンダリングを活用し生み出された映像が、ライブへの没入感をますます高めていく。まさにバーチャルな存在として生まれてきたことを誇るような演出だった。

ポップでスウィートなナンバー「RADIO LOVE HIGHWAY」をMoe Shopと、リミックスバージョン「over the reality」をAvec Avecと、「Melty Dreaming BOY, Melty Dreaming GIRL」をDE DE MOUSEと甘いカラフルなライティングに包まれながら届けるキズナアイ。

ときには、キュートなナンバーを届けつつも、常にベースにあるのはつながることをメッセージに込めた未来を指さすナンバーだ。

キズナアイ「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”」

突然ステージに現れたVTuber・電脳少女シロ、ミライアカリとのダンスパフォーマンスのユニゾンが圧巻だった「Touch Me」からは、親交のあるVTuberもステージを彩る花となりステージへ加わった。

なかでも、中田ヤスタカがDJプレイを披露したラストナンバー「AIAIAI」は、キズナアイの可愛い魅力が詰まったポップチューン。キズナアイの掛け声と客席にいる1820人のバーチャルタレントを中心とした掛け声が合わさることで楽曲が壮大なものへと磨かれていく。

「悔しいこともたくさんありました。それでもいつだって諦めなかったのは…」

アンコール後は、オリジナルCeVIO AI「キズナ(#KZN)」の開発が決定したこと、キズナアイのアニメプロジェクトが始動することが発表された。

キズナは、キズナアイのスリープ期間中に、みんなをつなげるハブとして活躍していくことになる。実際に学習途中のキズナとステージに立ち、共演した新曲「Kizuna AI to AI」を経て、もう一つの新曲「Linx」も披露。

生まれた意味がわからなくても、つながることを止めないメッセージが、これまで以上に前向きだった。

キズナ #KZN

スリープ期間中も、新たな形でつながる作業は続いていくこと、このラストライブのタイミングで新曲を披露したことが重なることで、スリープは決して後ろ向きなものではないことが明白になった。

「活動は本当に選択の連続で嬉しいこと、楽しいことはもちろん、ときに選択肢がこれしかないっていうことも正直あって。みんなに言えないような悔しいこともたくさんありました。

それでもいつだって諦めなかったのは、画面の前のあなたが私を諦めないでいてくれたからです」