コロナ禍にあって多くのアーティストたちが予定していたライブの延期、中止を余儀なくされていました。もちろんジャニーズに所属するアーティストたちも例外ではなく次々と延期、中止が発表される度にファンの間では落胆や悲しみの声が挙がっていました。
ファンにとってライブは大好きなアーティストと同じ空間と時間を共有することのできる場所であり、その大切な場所失うことは何よりも辛い現実でした。そこでファン・ファーストを掲げるジャニーズのアーティストたちが選んだのが「配信ライブ」というスタイルでした。
現在は感染予防の対策を徹底し、徐々にアリーナ、ドームクラスの有観客ライブも再開していますが、本稿では配信ライブでファンの心に寄り添い続けたアーティストたちの記憶に残る作品をピックアップし、ご紹介していきます。
嵐:活動休止を控えた最終日に、全てのファンに唯一無二の存在感を届けた
2020年12月31日。活動休止を控えありとあらゆる方法でファンに寄り添い続けてきた嵐から最後に届けられたのは、東京ドームからの無観客ライブ生配信でした。
2020年11月には東京オリンピック開催を控えた新国立競技場から『ARAFES 2020 at NATIONAL STADIUM』が配信されましたが、この『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』では日本のエンターティメントの最先端とも言われている嵐ライブの集大成ともいえる豪華な演出で、多くのファンに感動を届けました。
ライブは「ワイルド アット ハート」で幕を開けますが、登場の演出で既にドームの広さを最大限に生かした壮大なセットに心奪われます。
会場中央のセンターステージと呼ばれる場所の天井近くに設置された巨大なドームが開き、嵐の5人が登場すると実際にライブに参加しているかのような高まりと臨場感に包まれます。
更にサプライズはまだまだ続きます。ライブの定番曲であり、会場と嵐の5人が一体となるコール&レスポンス曲として人気の「言葉より大切なもの」は、事前に投稿された多くのファン映像とともに披露されました。
それぞれが趣向を凝らしたうちわやペンライト、グッズのTシャツや手作りの衣装など嵐を思う気持ちの溢れた映像と共に届けられるパフォーマンスの数々は圧巻です。
また“MEETS CHANCE/ミーツチャンス”と題した配信ならではの画期的なチャレンジも行われました。
生配信しているドームと視聴しているファンをリアルタイムで繋いで実際に嵐からファンサービスをしてもらえる演出や、視聴しているファン同士で会話しながらライブを楽しむことができる画期的な試みも数多く取り入れられ、嵐のファン・ファースト精神に溢れたライブとなっています。
嵐の5人は事前にファンに向け何度も投稿方法や視聴環境設定方法などを説明する動画を配信し、ファンが戸惑うことなく参加できるように配慮。こういった細やかな心遣いも嵐ならではだと感動したことを覚えています。
また活動休止前の最後のライブということもあり、実際に有観客で開催されていれば恐ろしい倍率になったことが容易に想像できましたが、配信という形になったことで多くの嵐ファンと同じ時間を共有することができたことは貴重な経験でした。