舞台「『チコちゃんに叱られる!on STAGE』~そのとき歴史はチコっと動いた!~」が2022年3月18日から日本青年館ホール(東京都新宿区)で開幕した。
NHKの人気バラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』を、人気コメディ劇団のヨーロッパ企画が全面協力して舞台化した本作。好奇心旺盛な永遠の5歳児・チコちゃん(声:木村祐一)と、チコちゃんと仲良しの江戸川の黒い鳥キョエちゃんがリアルな舞台に登場するのは今回が初めてだという。
ある日、いつものように大人たちに素朴なギモンを投げかけていたチコちゃんのもとに、突然、タイムマシンに乗って、“タイムパトロール”と名乗るダイゴ(髙橋颯)とミライ(浅川梨奈)が現れるところから物語が始まる。なんでも過去の偉人たちがボーッとしてしまい、歴史がねじ曲がってきているといい、チコちゃんたちは過去へタイムスリップの旅へと繰り出すのだが――。
初日の舞台を観た。お馴染みのセリフ「ボーっと生きてんじゃねーよ」を生で聞いたり、チコちゃんの七変化を楽しめたり、いつものように素朴な疑問を考えさせられたり、同番組のファンにはたまらない舞台だろう。
とはいえ、番組の公開収録とは違い、ちゃんとストーリー仕立てになっている。はちゃめちゃな展開も見受けられるが、有名な歴史上の人物たちが夢の“共演”をしたり、俳優たちの個性を活かしたセリフがあったり、髙橋颯と浅川梨奈を中心に歌とダンスが披露されたり、映像を駆使してSF感を満喫したり、エンターテイメント要素は十分。老若男女が楽しめる舞台に仕上がっている。
全日程日替わりのゲストが登場する。初日は、本公演の振付を担当したDA PUMPのTOMOが登場。カーテンコールでTOMOは「初めてリハーサルをやったときに、皆さんが踊れなさすぎてびっくりした」と話しながらも「本番には仕上がっていた」とコメントしていた。
主演のチコちゃんは「初日が楽しみすぎて、昨晩は寝られなかった」と明かしつつ、「歌が素敵」と作品をPR。本作に出てくる歌がずっと頭の中でリフレインしていたそうだ。いろいろと出演者にツッコミをいれながらも、「最後までよろしくお願いします」と座長らしく締め括っていた。
その他の出演者は、久保田秀敏、藤村忠寿、石田剛太・土佐和成・中川晴樹(ヨーロッパ企画)、青木さやか、小川菜摘、大竹まこと(※声のみ出演)。東京公演は3月21日(月・祝)まで。大阪公演は3月26日(土)、27日(日)、サンケイホールブリーゼ。
取材・文:五月女菜穂