これまで大阪・静岡を巡演した「2022年劇団☆新感線42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」。東京公演開幕の前日に行われたオンライン取材会に、衣裳姿の福士蒼汰と宮野真守が登壇した。
中島かずきが脚本を、いのうえひでのりが演出を手がける本作は“いのうえ歌舞伎”の最新作となる伝奇時代劇。2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になっていた。念願のリベンジに、福士は「すでに20公演を終えて、カンパニーが自信にあふれてきました」と胸を張り、宮野も「座組み全員で高め合って東京に来られたのが嬉しい。かなり仕上がっているので楽しんでもらえたら」と続く。
Wチーム制を敷いた「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」(2017〜18年)でともに捨之介を演じ、「ヴィレッヂプロデュース 2020 Series Another Style『浦島さん』『カチカチ山』」(2020年)のステージに立った福士と宮野は、本作が初共演となる。福士が「同じプロジェクトに携わる期間が長く、互いの距離がどんどん縮まりました」と話すと、宮野も「オフの時間も互いや作品について話が尽きず、常に前向きな言葉を交わしながら進んで来ましたね」とここにいたる道のりを振り返る。
この二人をよく知る中島が登場人物に当て書きしたのが本作で、福士は清水次郎長の怪我を治した博識の若き町医者・秋津永流(あきつながる)を、宮野は陽気でお調子者の口出し屋・草臥(そうが)を演じる。宮野は「キャラクターの裏にどんな想いがあるのか、二人で話し合って細かい設定をつくりました。表情から感じ取ってもらえたら」と舞台裏を明かし、福士も「舞台が終わっても、バディの行く末に想像を膨らませてもらえるようなラストになっています」と微笑む。
華麗に舞う“棒術”をはじめ、各種アクションに挑む福士は「心残りだった『髑髏城』から早乙女太一くんに弟子入りして稽古を続けて来ました。教わったことが発揮できているんじゃないかな」とコメント。実物のギターをかき鳴らす豊富な歌唱シーンを“マモライ”と呼ばれ、照れ笑いを浮かべた宮野は「ロック、ジャズ、ミュージカル調、いろんなジャンルの楽曲が聴きどころでもあります」と述べ、最後に二人で「にぎやかで大迫力の“お祭り騒ぎ”をぜひ楽しんでください」とメッセージを送った。
大千秋楽は5月28日(土)、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて。なお5月14日(土)12:00 / 17:30開演回では、全国の映画館でライブビューイングが上映される。ぴあでは、 劇場公演チケット販売中。
取材・文:岡山朋代