先ごろ、珍しい機能をもった外付けハードディスクケースが発売されて話題となった。製品名は「JIGEN」。一定期間アクセスがないと、中身のデータを消し去ってくれる時限消去機能がウリだ。メーカー側は盗難や置き忘れ時を想定しているようだが、やはり皆さん似たようなことを考えるようで、ネット上では「これで急に死んでも恥ずかしいデータを見られずに済むな」といった“死後”を見据えた反応が数多く見られた。

たしかにパソコンユーザー、とりわけ成人男子にとっては“自分の死後に発見されたら道徳的・社会的にヤバい”データも少なからずあることだろう。フォルダ名を「マクロ経済学」に偽装しただけでは気休め程度にしかならず、中身を開かれてしまえば終わりだ。そこで今回はフリーソフトを使って死後に備える方法を調べてみた。
 

遺言機能も完備した「死後の世界」

まずはそのものズバリ、死後の世界というネーミングのフリーソフトを紹介しよう。

作者はゆき氏。公開時期が古いためWindows98までしか対応していないように見えるが、ユーザーからはWindows7までの動作確認が報告されている。記者もWindows7で検証したところ問題なく動作した。

不慮の死亡時に備えたデータ削除機能には、日付を直接指定する方法と、最終起動から○日経過、という2種類のタイミング指定ができる。普通は自分の死亡日など予測できないから、後者を利用するのが一般的だろうか。ここに削除したいフォルダやファイルを登録しておけば、条件を満たした時にデータを自動削除してくれるわけだ。

また、データ削除が完了した後(つまり自分の死後)、パソコンを初めて起動した人に向けて遺言を表示してくれる機能もある。これは設定ウィンドウから「拡張設定」をクリックすることで、自由に文面が入力できる。サンプルとして最初から打ち込んである遺言の内容が泣かせてくれる。

削除実行前に確認メッセージを表示させる設定も可能なので、死んでいないのにデータをうっかり消してしまう心配は少ない。いたれりつくせりなフリーソフトである。 

 

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