データ隠蔽・偽装ソフト
データを自動削除するのはちょっと怖い……という人には、見られたくないフォルダやファイルを普段から“偽装”しておく選択肢もある。パソコン内にデータが残ったままでも構わない、要は他人から見えなければいいという発想だ。
このカテゴリには多くのソフトがあるが、お手軽さから今回は「Mirage Colloid」を紹介。作者はkane_blue氏。
偽装はフォルダ単位、ドライブ単位で行なわれ、下記のような方針が選べる。
・指定フォルダを「隠し属性」にして見えにくくする
・指定フォルダを開いた時、ごみ箱やコントロールパネルなど別フォルダを表示させる
・指定ドライブを丸ごと非表示にする
どの場合もデータの暗号化はせず、あくまで偽装するだけなので処理はとても軽快だ。偽装の解除はあらかじめ設定しておいたパスワードを使う。偽装フォルダに対して検索をかけたり、どのタイミングで偽装実行したかのログも残せるなど機能は豊富。おそらくソフト名はアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場した高性能ステルス技術(ミラージュコロイド)に由来していると思われるが、元ネタに恥じない働きを見せてくれるはずだ。
過信は禁物 悪用は厳禁!
これらのソフトは秘密にしたいデータを手軽に削除/隠蔽できるが、決して完全なものではない。
たとえば削除したデータは、ファイル復旧ソフトを使えば元どおりにされてしまう可能性がある。削除から間もない(まだそのドライブでデータの読み書きがされていない)タイミングだと成功率も高い。実際、記者が別のソフトを使い、「死後の世界」で削除したファイルの復元を試みたところあっさり成功した。
データの偽装も同様。パソコンに詳しい人なら偽装を見破って、場合によっては隠したはずのデータにたどり着くこともできる。セキュリティを強固にしたいなら、処理に時間はかかるが暗号化対応の偽装ソフトを使うか、素直にお金を払って冒頭で紹介したハードディスクケース「JIGEN」を購入すべきだろう。
また、ここまで読んだ人なら気付いていると思うが、時限データ削除やフォルダ隠蔽ソフトは悪質な使い方もできる。家族や同僚のパソコンに仕込んでおけば、大混乱を引き起こすことも可能だ。絶対にそういう使い方はせず、あくまで自分の死後に備えるだけにとどめておこう。便利なフリーソフトを正しく使って、脱「マクロ経済学」を目指したい。