ゴールデンウィークの4⽉27⽇(⽔)〜5⽉5⽇(⽊・祝)に東京・丸の内エリアで開催される「丸の内ミュージックフェス」は、子供から大人まで楽しめるクラシック⾳楽イベント。5月3日(火・祝)東京国際フォーラム・ホールCの「動物たちのカーニバル」に出演するピアニスト・作曲家の加藤昌則、そしてピアノの萩原麻未とヴァイオリンの成⽥達輝に聞いた。
三人が神奈川フィルのアンサンブルとともに演奏するのは、サン=サーンスの《動物の謝肉祭》(室内楽版)。さまざまな動物をユーモラスに描いた親しみやすい作品は、チェロが独奏する美しい〈白鳥〉が特に有名だ。でも実は、自作も含めた他の楽曲のパロディや皮肉がたっぷり入っている。
加藤「そういう冗談をお客さんにどう伝えるかも大事。つい真面目に聴いてしまいがちなのですが、すごくストレートにいろんなものをぶつけてくるので、ちょっとクスクスしながら、ひとつひとつのキャラクターを楽しんでもらえると思います」
萩原「大人も子供も分け隔てなく楽しめる曲の代表みたいな作品です」
成田「子供も純粋に楽しめるし、大人にも響く。サン=サーンスは天秤座なのでそのバランスがうまい(笑)」
ファミリー向けの音楽祭。萩原と成田の二人も、生後10か月の愛娘のママとパパだ。わが子を音楽が好きな子に育てたいと願っている親は多いだろう。
萩原「親が音楽を楽しんでいる様子を見ると興味を引かれると思うんです。一緒にこういう演奏会を楽しむことが、子供にも良い影響を与えると思います」
成田「教育というよりもサポートをしてあげることが大切なんだと思っています。その子がその子らしく育っていけるように手助けしてあげたい」
加藤「子供と大人の境界線はどこにあるのかと考えるといつも、僕の精神年齢は中2で止まっていることに気づきます(笑)。大して差はない。それに、普遍性のある面白いものというのは、子供も大人も、それぞれの目線で楽しい。あんまり子供向けということを意識しなくていいのではないでしょうか。GWを、音楽を聴いて家族一緒に過ごすのは、とても豊かな選択。一緒に楽しめる遊び場になればいいですね」
成田「クラシックは、演奏者がみんな同じ方向を向いてつまらない顔で弾いているみたいなイメージを覆したいですね。ステージに工夫を凝らしたいなと思っています」
加藤「うん。演奏しているわれわれも楽しめるようにやりたいよね」
(宮本明)