昨年8月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスターの珠城りょうが、退団後初のソロコンサート『CUORE』を開催。大阪公演を盛況に終え、5月13日(金)より東京国際フォーラム ホールCでの幕が上がる。
入団9年目に異例の速さでトップ就任。温かみのある歌声、スラリと伸びた手脚から繰り出されるダイナミックなダンス、繊細な演技、そして包容力と真っ直ぐさで組を牽引してきた珠城。川崎悦子が構成・演出・振付を手掛ける今回のステージは、チーフパーサーに扮した珠城とともにタイムマシン「CUORE号」に乗車し、時間旅行を楽しむというストーリー仕立てのコンサートとなっている。開演アナウンスは、珠城による搭乗案内。観客を『CUORE』の世界へといざなっていく。
黒のサングラスをつけ、グレーのロングコートをまとった珠城がクールに登場するや、Official髭男dismの楽曲『Amazing』で幕開け。珠城が宝塚歌劇団在団中に発売されたSpecial Blu-ray BOX内でカバーした楽曲で、今回が初の生パフォーマンスとなる。温かみのある伸びやかな歌声とキレのあるダイナミックなダンスは健在。髪も伸び、従来のカッコよさに加えて柔らかさが増した印象だ。
ロングコートを脱いだ珠城は、一転、上下ともに白、ノースリーブにパンツスタイルの爽やかな衣装や、黄色のブラウスと緑のパンツといったレトロポップな衣装をまとったりと、シーンによってさまざまに表情を変えていく。近未来からスタートし、1930年のアメリカ、宝塚歌劇団時代、1950年代のパリ、現代…と、時空を超えてさまざまな場所へと移るこの時間旅行。その中で、珠城のオリジナル曲や、往年のスウィングジャズの名曲、宝塚時代の印象深い楽曲、ミュージカルナンバーなどを披露していく。観客も一緒に踊り、盛り上がれるシーンもあり、一体感が味わえるのもうれしい。
曲の合間には、珠城をはじめ、パーサーに扮したダンサーたちとのコミカルなやり取りも。珠城と上口耕平をはじめとするパフォーマーたちの息もぴったり。カンパニーのムードの良さも伺え、そこにも珠城のおおらかさと求心力が垣間見える。パフォーマンス中は元男役らしいスタイリッシュさも感じさせながら、トークでは肩の力が抜けたような朗らかな表情を見せる珠城。観ている側も思わず笑顔になれる温かいステージ。東京公演は元星組男役スター・愛月ひかるがゲスト出演する回も。ふたりがどんなコラボレーションをするのかお楽しみに。
東京公演は5月13日(金)から15日(日)まで、東京国際フォーラム ホールC。愛月ひかる出演は5月13日(金)17:00、14日(土)13:30、17:00公演。PIA LIVE STREAMでは愛月がゲスト出演する5月14日(土)13:30回をライブ配信(アーカイブ配信なし)。チケット発売中。
取材・文:黒石悦子