2017年の発足以来、オリジナル作品や、国内外のオペラ・文学作品を題材とし多彩な作品に取り組む、日本舞踊未来座=SAI=。「=SAI=」は継承と革新を意味する「Succession And Innovation」の頭文字。現代に息づく、新しい日本舞踊の創造に取り組む公演を毎年上演し、日本舞踊の伝統をつむぎながら、「いま」輝き、「未来」へと光を放つ、そんな願いが込められている。
毎年テーマとなる「SAI」には異なる漢字が当てられており、今年は「才」となった。上演作品は誰もが知る普遍的名作『銀河鉄道999』と、5周年にふさわしいテーマ、演目が揃った。
脚本は、劇場版『銀河鉄道999』、『さよなら銀河鉄道999』を元に構成。作品のテーマである「受け継がれる想い」に、舞踊家たちが背負う使命ともいえる「芸と思いを受け継ぐ」ことを重ね、オリジナルで書き下ろされた。
アニメやミュージカルと、様々な手法で発表されてきた『銀河鉄道999』。今公演では、着物をベースにアレンジされた目に新しい衣装、洋楽・邦楽を取り入れた音楽で舞台を彩り、日本舞踊ならではの表現を駆使した振り付けで、「受け継がれる想い」の大切さを、日本舞踊でしかできない技術と表現で伝える。
主演となる星野鉄郎役には、12年に第69回東京新聞主催全国舞踊コンクール邦舞第1部1位、15年には(公社)日本舞踊協会主催各流派合同新春舞踊大会にて大会賞を受賞する他、多数の舞台に出演、振り付け・演出も行う藤間直三。同主演となるメーテル役には、古典演目はもちろん創作舞踊劇場『火の鳥』、『陰陽師』にて主要キャストを勤め、優れた技術と豊かな表現力を持つ、花柳笹公。さらに第4回公演では構成、演出、出演すべてを務め、本作でもプロジェクトメンバーの一人として制作にかかわる松本幸四郎が、星野鉄郎、キャプテン・ハーロックなどの声で出演し、作品にさらなる厚みを持たせる。
若手からベテランまで、総勢64名の個性豊かな舞踊家たちが磨き続ける「才」を、ぜひ劇場で体験してほしい。
公演は2022年6月3日(金)から6月5日(日)まで、東京・国立劇場 小劇場にて。チケットぴあでは、チケット発売中。