村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ) (C)ヤクルト球団

いよいよペナントレースが明日6月17日(金)に再開。『日本生命セ・パ交流戦』終了から5日、両リーグそれぞれの戦いがリスタートするのだ。

それにしても、東京ヤクルトスワローズの強さは際立っていた。14勝4敗! パ・リーグ6チームすべてに勝ち越す完全優勝を果たしたのだった。そして『交流戦』MVPに選出された村上宗隆の無双ぶりも凄まじかった。

村上はパの投手陣を相手に打率.351・6本塁打・13打点と打ちに打った。6月に限って言えば、打率.424、4本塁打・10打点だ。OPS1.386という信じられない数値を叩き出している。しかも5月31日・千葉ロッテマリーンズ戦から4試合連続無安打と苦しみながら、これほどまでの数字を残すのだから恐れ入る。

6月15日の記者会見で当人は「すごく光栄に思います。こうやってMVPを取れたこともそうですが、『交流戦』で優勝することができて良かったと思います。日頃、あまり対戦してない投手やチーム、初対戦が多い中で、こうやって結果を残すことができたのは自信になります」と喜びと手応えを語りつつ、「これからレギュラーシーズンに戻るので、もう一回気持ちをリセットして、また新たな気持ちで戦えるようにしたいと思っています」と気を引き締めた。

四番だけではない、リリーフ陣も完璧な仕事をやってのけた。思えばヤクルトの『交流戦』は「田口の20球」で始まった。5月24日・北海道日本ハムファイターズ戦、延長10回無死満塁のピンチを迎えると、六番手で田口麗斗がマウンドへ。すると田口は気迫を前面に出して四番清宮幸太郎を三振、続く万波中正はショートライナー、最後は宇佐見真吾を空振り三振で仕留めたのだった。

ピンチを作り田口に救われた格好の今野龍太だが、その後は危なげない投球を見せた。時には中継ぎエース清水昇、守護神スコット・マクガフの代役も務めた。マクガフの前を担う清水は相変わらずの安定感を見せれば、マクガフにA・J・コール、木澤尚文も日本ハム戦後は0封を続けた。石山泰稚も5試合に登板しピシャリ。そもそも6月以降中継ぎ陣は無失点と文句なしのピッチングを披露している。

6月11日・福岡ソフトバンクホークス戦で4年ぶり2度目の『交流戦』Vを決めた後、高津臣吾監督は「この『交流戦』を通じて、やはりリリーフピッチャーのがんばり。先発投手からどうやってマクガフまでつなぐかというところで本当に良くできた。リリーフみんながMVPだと思っています」と中継ぎ陣を称えた。

『交流戦』を経て、2位・読売ジャイアンツに7ゲーム差、3位・広島東洋カープに10.5ゲーム差をつけたヤクルト。ペナント再開後最初の相手は『交流戦』で5勝13敗と最下位に沈んだ広島である。果たして、ヤクルトがこのまま首位固めに入るのか。『JERA セ・リーグ 公式戦』ヤクルト×広島は6月17日(金)~19日(日)・神宮球場にてプレーボール。チケット発売中。