電車でもっと出かけよう

子どもが小さいと、電車やバスなどの公共交通機関より、自家用車での移動を選びたくなるが、目的地によっては電車のほうが早くて楽だろう。今回は、おおむね8月31日まで利用可能な関東私鉄各社のお得なきっぷをまとめた。別途、通年販売のお得なきっぷやフリーパスもあるので、各鉄道会社のウェブサイトを確認していただきたい。

東急・メトロから期間限定キッズパスが登場

東急電鉄は、初の試みとして、小学生以下の子どものいる子育て世代向けに東急線が1日乗り降り自由になる磁気乗車券「東急線キッズ100円パス」を6月18日~8月28日の土日・祝日限定で販売する。

購入日当日は、通常の東急線ワンデーパス(小児340円)と比較して、約7割引きの100円で東急線が1日乗り放題になる。発売場所は、東急線各駅(世田谷線・こどもの国線を除く)の改札窓口。券売機では購入不可。

また東京メトロは、8月31日まで、通常300円の小児用24時間券(24時間以内乗り降り自由の乗車券)を「東京探検!24時間こどもきっぷ」として100円で販売する。有効期限は9月30日で、それまでは平日・土日祝日を問わず、いつでも使える。

発売箇所は、東京メトロ旅客案内所(上野駅、銀座駅、新宿駅、表参道駅、東京駅、池袋駅)、東京メトロ定期券うりば(中野駅、西船橋駅、渋谷駅を除く)、新橋駅・銀座線渋谷駅・行徳駅・南北線後楽園駅の駅事務所。

京王電鉄は、「こどもといっしょ割 座席指定券」を7月23日~8月28日の土日・祝日限定で販売する。料金は「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」の対象列車で大人・小人の2席セットで500円(乗車日当日のみ販売・前売なし)。さらに購入者には、その場で京王ライナー乗車記念トレーディングカードをプレゼントする。

発売箇所は、下りは新宿駅と明大前駅、上りは高尾山口から府中までのMt.TAKAO号乗車駅と多摩動物公園駅。

小田急線は交通系IC利用でいつでも乗車1回につき50円

小田急電鉄は3月12日から小田急線の小児IC運賃を全区間一律50円に改定した。目的の駅のみ乗り降りする場合は合計100円となり、何度も乗り降りする場合は改札外への出場ごとに50円かかる。夏休み期間に限らず、小田急線に乗車する場合は、小児用PASMO/子ども用Suicaを事前に作り、それで乗車したほうがお得だ。交通系ICの普及と、子育て支援・沿線の魅力アップを兼ねた一石二鳥の取り組みといえるだろう。

お得な「ムーミンバレーパークおでかけパス」「秩父漫遊きっぷ」

西武鉄道は、池袋発・所沢発限定の「往復小児特急料金 実質無料キャンペーン」を実施するほか、期間限定でお得な企画乗車券「ムーミンバレーパークおでかけパス」「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」を販売する。秩父市応援 秩父漫遊きっぷは、通年販売の「秩父漫遊きっぷ」を割引価格で販売するもので、秩父市の予算上限に達し次第、終了となる。

ムーミンバレーパークおでかけパスは、西武線(多摩川線を除く)が1日乗り降り自由の乗車券と、飯能駅北口からムーミンバレーパークのある「メッツァ」までのバス往復乗車券をセットにした企画乗車券で、西武線各駅(小竹向原、多摩川線の各駅を除く)の窓口で販売する。価格は大人4300円・小児2600円なので、ムーミンバレーパークの「1デーパス」の通常料金、往復のバス代を差し引いた西武線運賃相当額は大人600円・小児400円。つまり小児片道200円以上なら、別々に買い求めるよりお得だ。

お得な切符・フリーパスの販売にあわせ、各社とも、親子で楽しめるスタンプラリー企画などを展開し、需要喚起に取り組んでいる。コロナ禍において大きな影響を受けた鉄道各社・バス事業者を応援したい気持ちがあるなら、ぜひ積極的に電車に乗ったりグッズを買ったりして支えよう。(BCN・嵯峨野 芙美)