「小さい頃から料理が好きで、将来はシェフになりたいと思っていましたが家庭の事情などで難しく、結局普通の会社に就職し、結婚して子どもができたら家事と育児が中心の生活でした。
子どもが県外の大学に進学が決まったとき、思いついたのが食堂で働くこと。
体力は落ちているし素早く考えて動くことなど難しいのも考えたら、一般的なレストランより官公庁の食堂など忙しい時間が決まっているところがいいのかな、と思いました。
調理師免許はいずれ取るとしてもまずは働いてみたくて、そのときたまたま求人が出ていたある土木事務所の厨房のパートに応募しました。
お昼の日替わりの予約を取りお弁当箱を用意したりお皿を並べたり、すべてが時間勝負で大変ですが、空になったのを見ると本当にうれしくなります。
在庫の確認や掃除もあって決して体力的には楽ではないけれど、飲食に携わる夢が違う形でも叶ったようで幸せです。
夫との会話でも話題が増えて、家で新しいメニューを作ってふたりで楽しんだりできるのも新しい発見でした」(52歳/飲食業)
夢だったシェフそのものではなくても、飲食の場に関わることができる仕事は「こういう空間が好きなのだと気が付いた」とこちらの女性は話していました。
重労働な面はあっても、人の喜ぶ顔を見られることがモチベーションになります。
家に帰れば別の楽しみもあるこんな仕事は、好きだからこそ続けていけるのですね。
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