
主人公の頭の中で擬人化された5つの思考が“脳内会議”を繰り広げるラブコメディ『脳内ポイズンベリー』が再演される。出演するFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征が思いを語った。
『脳内ポイズンベリー』は、水城せとなの同名人気コミックが原作。2015年に映画化され、2020年には舞台で初演を迎えた。平凡な女子のいちこ(本仮屋ユイカ)は、気になっていた年下男子・早乙女(白石隼也)と偶然、再会する。激しくときめくいちこの脳内では、5人のメンバーによる会議が開かれ、早乙女と付き合うことになるが、大手出版社の越智(平野良)からも思いを寄せられて…という物語。
原作も映画も見たという八木は、「まず、いちこの脳内の感情を擬人化した設定が面白い。5人の一人ひとりに感情のバックボーンがあり、すごく共感できる部分がありました。その上、5人はいちこ自身だから、自分自身が幸せになることと、相手の幸せを願う=それも自分自身の幸せということに直結してくる。ポップで明るいだけでなく、深いんです」と熱を込める。
八木が演じるのは、脳内会議のメンバーをまとめる議長の吉田。議長というからには冷静な人物だと思いがちだが、「めちゃめちゃ優柔不断で、ポジティブな人に嫉妬して右往左往する。そのダメぶり、こいつ頼りないというのが舞台でもすごく見えると思います。でも、人に対して警戒心があるところは僕と重なりますね」と笑う。
原作や映画とは違う、舞台ならではのシーンも楽しみだ。いちこや早乙女ら現実世界のメンバーと、5人の“脳内組”とのお芝居の掛け合いや、セリフのバトンパスが見どころだそうだ。「新たに越智さんの脳内会議のシーンもあって、それは原作や映画には出てこないので注目です」。
FANTASTICS from EXILE TRIBE以外の舞台に初挑戦する今作。「舞台はあまり経験がなく、フルで2時間を超える芝居は初めてで、どうしても映像作品のように、観客をレンズの向こうに意識する面と面だけの演技をしてしまうんです」と苦労を明かす。演出を手掛ける佐藤祐市から「リアルタイムでいろんな角度からお客さんに見られていることを意識しなさい」とアドバイスを受けた八木。演出家をはじめ、周りのキャストにも鍛えられ、同じ瞬間やタイミングは二度と起こらない舞台は新鮮と語る。「最高に楽しい時間を過ごしてもらえるように、毎公演、毎公演、大切に届けます。ぜひ、劇場に来てください!」。
東京公演は9月6日(火)まで明治座にて上演中、大阪公演は9月10日(土)から12日(月)まで、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。東京公演のチケット発売中。
取材・文:米満ゆう子