弁護士への相談を決めたのは、子どもたちの後押しもあったけれど、何より自分が離婚後に二度と財産分与を問題にさせたくなかったから。
弁護士の方はしっかりと話を聞いてくれて、法律に従って私には共有財産を手にする権利があること、またその内容について、詳しく教えてくれました。
私が財産分与を放棄しない限り離婚はないと言い切る夫に、
『弁護士に相談しているから。離婚に応じないなら調停を申し立てます』
と名刺を見せると態度が一変。
『卑怯だ』などと言っていましたが、弁護士の提案で作った分けるべき財産のリストを渡して、私は家を出て実家に戻りました。
実家の両親は以前から夫を良く思っていなかったこともあり離婚には賛成で、弁護士への相談も『そうするべき』とうなずいてくれてほっとしましたね。
夫からはその後『離婚について話し合いたい』と連絡があり、どうも私と同じようにどこかの弁護士に相談したようです。
現実では自分の言い分が通らないことがわかったのか、それからはきちんと半分にする話ができて、一緒に渡しておいた記入済みの離婚届も自分の欄を埋めた状態で返してきました。
無事に離婚が成立したのは弁護士のおかげですが、夫の傲慢な態度に負けなかったのが正解だったと思います。
『これが最後』と思えばこそ、ストレスにも耐えられたのかもしれません」(45歳/経理)
離婚したい気持ちのまま勢いで離婚届を出してしまうと、その後で自分がもらえる共有の財産について請求したいと思っても、スムーズには進むのは難しいのが現実です。
それが想像できるから、「二度と話し合わなくて済むために」最後のストレスを我慢する力が、離婚後の生活を安定させます。
家族の賛成があるのも本当に心強く、専門家の手を借りながら進められたことが悔いのない離婚につながったケースです。