「私にはシングルマザーの妹がいて、女手一つでふたりの子どもを必死に育てているのを見てきました。
私はモラハラ気質の夫に耐えながら何とか一人娘を育て、地元の大学を卒業して無事に就職が決まったときは、妹も『よかったね』と一緒にお祝いしてくれたのがうれしかったです。
妹は子どもたちが就職してからひとり暮らしを満喫していて、いいなと思うけど離婚する勇気はなく、せめて家庭内別居で気楽に過ごせればと思っていました。
その頃、夫のほうから『これからはゴルフや畑作業に時間を使いたいから家を空ける時間が増える』と言われ、チャンスだと思い『私も自分の時間がほしいから、食事やお風呂の用意などはそれぞれ好きなようにしましょう』と提案しました。
夫は反対しましたが、私が近所のスーパーで働いており、その収入もあてにしていることから強くは出られず、家庭内別居が決まりました。
これも卒婚と呼べるのか、それからは夫の状態を気にすることなく外出も食事も楽しめて、だいぶ気が楽になりましたね。
妹とも前より気楽に会えるようになり、『夫婦のことはふたりにしかわからないのだから、姉さんが納得しているのならそれが一番』と言われたことが何より心強かったです」(55歳/小売業)
卒婚によって配偶者のストレスから解放され、自由な時間を過ごすことを身内の人が応援してくれたら、これほど心強いことはありません。
夫婦の状態がどうであれ、本人の納得を優先してくれるのがありがたいですね。
卒婚は、離婚でなくても身内から反対が出るときがありますが、形に縛られない価値観を持てるきょうだいとは、卒婚後も信頼関係を築いていきたいですね。