2004年に制作されたハイスクールコメディ映画をミュージカル化した『MEAN GIRLS』。ヒロイン・ケイディはアフリカで育ち、16 歳で初めてアメリカのハイスクールに通うことになる。「その設定自体がすごく面白い」と、生田絵梨花は語った。それまではずっとホームスクールで学び、同年代の若者たちとの集団生活をまったく知らなかったケイディ。そんな彼女が変わっていく姿を、「最初はダサくて、そこからキラキラ女子たちに囲まれて学校生活をサバイバルしていく。見た目や環境が変わることで内面も変わっていくって、誰もがあり得るので、丁寧に、コミカルさもありつつリアリティを出せたら」という。
周りの女の子たちを意識して見栄を張り、“イケてる”自分であろうとする。『MEAN GIRLS』にはそんな“女子あるある”がポップでコミカル、でもシニカルな視線も交えながら描かれる。そうしたケイディたちの姿には、生田もシンパシーを感じるそう。「みんな多少は経験したことがあるだろうし、自分の感覚に引き寄せながら演じたいと思います」
ケイディはハイスクールで、カースト上位の女の子たちのグループ・プラスティックスと出会う。そのリーダーが、レジーナ。ふたりの関係性が全編を通じての見どころだ。生田も、「女子カーストのトップに君臨している彼女に対して、ケイディは、最初は反発心を感じて『違う世界の人』って捉えていたのに、いつの間にか彼女に巻き込まれて仲間になり、仲間になってもまた衝突する。そういう関係性や、憧れと表裏一体の感情は探っていきたいと思います」とイメージを膨らませる。
レジーナを演じるのは、モデルとして、また舞台でも活躍している石田ニコル。彼女と行動を共にするプラスティックスのメンバーは、グレッチェンを松原凜子、カレンを松田るかが演じる。彼女たちの華やかな存在感にも注目だ。また、ケイディの同級生であるロック系少女・ジャニスに田村芽実、ゲイの男子・ダミアンに内藤大希、ケイディが一目ぼれするアーロンに小野塚勇人、数学オタクのケヴィンに中谷優心など、個性豊かな若手キャストが集う。彼らのパワフルな演技・歌が、観客を魅了するに違いない。
ブロードウェイでこの作品を鑑賞した生田は、「言葉はわからなかったけれどすごくワクワクした」そう。「女の子たちのキラキラやチャーミングさが、舞台のエネルギーとして渦を巻いたらいいですね。それと、女の子のブラックな側面もコミカルに描きたい。舞台って、これだけ五感をフルに稼働する空間は他にないと思っています。色々と閉鎖されたり抑制されたりした時期が続いた今だからこそ、気兼ねなく参加してもらえたら嬉しいですし、男女問わず楽しんでもらえたら。私もそういう空間を創れるように微力ながら頑張りたいと思います」。キラキラとした笑顔でそう語る彼女は、きっと魅力的なケイディを生み出すだろう。
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