ウーピー・ゴールドバーグ主演の大ヒット映画をミュージカル化した『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』。『アラジン』『美女と野獣』など、数々のディズニー映画の音楽を手がけるアラン・メンケンによる珠玉のナンバーと心沸き立つダンスで、劇場中をハッピーにしてくれる傑作ミュージカル・コメディが4度目の再演。2014年の初演から主人公デロリス役を演じる森公美子が、自分ならではの役づくりを交えながら本作の魅力を語ってくれた。

ある殺人事件を目撃したことから、ギャングに命を狙われるハメになったクラブ歌手デロリス。カトリック修道院にかくまってもらうことになった彼女は、そこで修道院長に頼まれ、“あまりにも歌が下手”な聖歌隊の指導することになる…。「デロリスは、言葉の使い方も知らず、周りの全員が敵だと思っているような女性。そんな彼女がシスターたちと出会い触れ合ううちに変わっていき、シスターたちもデロリスのおかげで歌うことの楽しさと喜びに目覚めていきます。人間同士が互いに尊敬し合い、成長していく姿がとてもすてきな作品ですね」。
本作への出演にあたって、他のキャストとともに実際の修道院を訪問。その際、「あなた方も誰かのため、何かのために歌っていらっしゃるのよね。その姿を神は絶対見ていますよ」と言うシスターの言葉に感動し、泣いてしまったそう。「この舞台も『観てくれる人の救いになれば』と皆で心をひとつに演じている」と涙ながらに語る。また、常に感謝の心を忘れないシスターのあり様に触れ、森自身、何ごとにも感謝できるようになったそう。

この作品で初めて帝劇初主演を果たし、大舞台のゼロ番(センター)に立つ快感を知ったという森。「瀬奈じゅんさん、蘭寿とむさん、そして今回は、前回に続き朝夏まなとさん。毎回『どうして、こんなにスタイルがよくて、踊りが上手なの?』という方とのWキャストなんですよ」と冗談まじりだが、このキャラクターが異なるWキャストも話題の1つだ。「宝塚の大先輩ということもあり、朝夏さんには絶対言えないと思いますが、私が演じるデロリスは、厳格な修道院長役の鳳蘭(おおとりらん)さんに『クソばばあ』なんて言っちゃったりします(笑)。舞台をよくするためなら何をやってもベリーウェルカムな鳳さんには、役づくりのうえでも大変助けていただいていますね」。

どんな舞台でも予定調和な芝居にならないよう心掛けている。「想定外のこともたくさん起こるのが、芝居の面白さ。毎回新しい発見があると思うので、すでに見たという方もぜひ足をお運びください」と、笑顔でメッセージをくれた。

公演は上演中~12月4日(日)東京・東急シアターオーブ、12月9日(金)~12日(月)大阪・梅田芸術劇場メインホール、12月29日(木)~1月4日(水)福岡・博多座。その他、広島、愛知、長野公演もあり。チケットは発売中。