コロナ禍を経て4年ぶりに復活するゴールデンウィークの音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」(以下LFJ)の記者会見が2月21日に東京国際フォーラムにて開催され、LFJアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンらが出席した。
ゴールデンウィーク中の5月4日(金・祝)から5月6日(土)の開催となる今年のLFJだが、テーマはやっぱり「Beethoven ― ベートーヴェン」。もともと、15周年を迎えるはずだった2020年のLFJにて、ベートーヴェン生誕250周年を盛大に祝う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった経緯があり、今回、改めてこの偉大な作曲家の魅力を詰め込んだプログラムが組まれることになった。
メイン会場となる東京国際フォーラムの各ホールには、マリア・マグダレーナ(※ベートーヴェンの母)、ジュリエッタ(※ベートーヴェンがピアノを教えていた伯爵令嬢)など、彼の人生に深く関わってきた女性の名が冠される。
有料公演は50公演を予定。コロナ禍の影響による航空券の高騰もあり、海外のアーティストを多く招聘することが難しいこともあり、コロナ前と比べると数は減っているが、その分、広いホールでの公演数を増やす方向だという。
また、世界中から集った有料公演出演アーティストが若手演奏家に直接指導を行なう「マスタークラス」も開催。例年、あまりの人気で整理券を求めて長蛇の列ができることを考慮し、今年から有料の事前予約制プログラムになるという。
一方、有料公演出演のアーティストが参加するサプライズコンサートなどの無料のキオスクコンサートも地上広場で開催。2020年に続いてアンバサダーを務めるふかわりょうが“ROCKETMAN”として、ベートーヴェンを中心にクラシック楽曲をアレンジしたDJ公演も無料で開催される。
交響曲(3番「英雄」、5番「運命」、6番「田園」、7番、9番)にピアノ協奏曲1~5番、ヴァイオリン協奏曲にピアノ・ソナタと人気の楽曲を3日間でカバー。福間洸太朗による新編曲&初演でピアノ3台6人が「トルコ行進曲」を奏でる「豪華6人ピアニストの競演!」、ヨアキム・ホースレイがクラシックとラテン音楽を融合させた「ハバナのベートーヴェン」、ルンバのリズムによる交響曲7番、宮川彬良によるシンフォニック・マンボ No. 5など、様々なアレンジでベートーヴェンを楽しめるのもLFJならではの魅力と言える。
ルネ・マルタンは2005年から2019年までを「第1期」とした上で、今年のLFJを「新たな冒険」と語り、4年ぶりの復活の期待を口にしていた。
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」は5月4日(金・祝)から6日(土)まで開催。
チケットぴあでは3月2日(木)から抽選、3月11日(土)から先着受付開始。
文:黒豆 直樹