――ヴィジュアル系バンドが海外に展開していくことについて、何か問題を感じることはありますか?
Shiba:問題というか、たとえば1年に1バンドしか来なかった時代に比べて、今は年間何バンドも来るので、元々のパイが増えてないのにお客さんが割れちゃうというのはありますね。ファンの方も慣れちゃいますし。
ドイツやフランスも同じような状況らしいですね。バンドの大小を問わずプロモーターが呼んでしまうので、中にはあまり場慣れしていないバンドも海外に出たりして…。もちろん現地にバンドが来ないと盛り上がらないんですが、なんでもかんでも来すぎても…という状況ですよね。バランスが大事というか。
――以前「ウレぴあ総研」でKAMIJOさんにインタビューさせてもらった時も「(バンドは)日本代表のようなつもりで海外進出してほしい」とおっしゃってました。(記事『【V系】耽美派の貴公子「KAMIJO」ソロデビュー! 「毒」に満ちたV系の魅力を華麗に語った』[ https://ure.pia.co.jp/articles/-/16221 ] )
Shiba:そうなんです。もちろん海外遠征は日本のバンドにとっても修行という意味もあるとは思うんですが、現地のファンの子だってクオリティの低いバンドはわかっちゃいますから。
それで「ヴィジュアル系ってこんなもんか」と思っちゃうと、K-POPの方に行っちゃったりとか。メキシコでも今K-POPが流行りはじめてるので、自分的にもちょっとヤバいんですよね(苦笑)。J-POPフェスみたいなイベントでも半分はK-POPだったり。K-POPは国がプッシュしてるので強いですよね。日本のヴィジュアル系の場合、外務省が動かないじゃないですか。
――海外でヴィジュアル系を盛り上げるためにはどうしたらいいと思いますか?
Shiba:変に媚びなくても良いと思うんですよね。世界に対して。例えばメキシコ行くからといって「アミーゴ!」とか入れてみたりとかはやらなくていいと思うんですよね。
それよりも、今でも現地のファンが有志でやっていますが、YouTubeの動画に歌詞の字幕をいれたり、一緒に歌えるようにローマ字表記の歌詞を入れたりするのは喜ばれると思います。ライブに来るのが一番ですけど、さっきも言ったようにバランスも大事じゃないですか。シーンが飽和してしまうというか。フランスがそうだったように、メキシコもそのうちそうなってしまう可能性もあるので、食い止めたいんですよね。
かといってシーンを盛り上げるというのも大変で、いくらネットとかでただごり押しするだけじゃファンもついてきてくれないじゃないですか。
自分もがんばりますんで、みんなでがんばりましょうってことで(笑)。
【店舗情報】
La tienda Harajuku(Mexico Df)
Plaza Revolucion #94,a un costado de metro Revolucion
Lunes a Sabado de 2 a 7pm