――その後、BRAND NEWにリニューアルしてから、こちらで働きだしたのは。
岡西:僕自身は何年かな…正確には覚えてないんですよね、まだお店としての20周年が来てないので多分17~8年のところだと思いますけどね。
――逆算すると90年代後半ですよね。その頃のシーンはどういった感じだったのでしょうか。
岡西:シーン云々以前に、ココが阪神・淡路大震災の影響で一回閉店という形になっていて。だからいったんバンドがいなくなっちゃってる時期からの再スタートだと思うんですよ。ブランニューとしてリニューアルしたのが。僕が入った時は、お店は動き出してましたけど、ライブはまだ少なくて。一週間に何回か、みたいなところからの再スタートだったように記憶しています。
――その再スタートの時期はどんなバンドが出てきたのでしょうか。
岡西:ブランニューでは、新しいアーティストを発掘していく業界人向けのオーディションを初期の頃から何年もやってたんですけど、イベントをやっている時にレコード会社の人にも結構来ていただいて。そこで発掘されたバンドとして、GRAPEVINEが代表格なのかな。
自分自身がココで働き出してからは、陰陽座やGalneryusといったバンドであったり。
ヴィジュアル系だと、Wyseとかはもうここで生まれたバンドと言ってもおかしくない位のアーティストですかね。色んな形で色んなバンドがインディーズ内では出てたと思います。
――その中で印象に残っているようなバンドはいますか?
岡西:やっぱり陰陽座はウチにとってはインパクトのあるアーティストだったなっていう風に思いますね。
前身バンドの時からここに出てたので。当時から何か他のバンドとは全く違う何かを感じさせていました。特にあのバンドがすごかったのは、やはりヴィジュアル系とヘビーメタルとプログレのファンを全部をつかめたということがあると思います。他のバンドができなかったことじゃないかなって気がしますね。
――さきほどは業界人向けのオーディションをされてましたが、ライブハウス側が審査するオーディションもあるじゃないですか。昔…10年以上前のライブハウスというものは、基本的にそういうオーディションをクリアしないと出られないっていうイメージがあったんです。しかし最近はそういうところも減っています。どうして変わってしまったんでしょうか。
岡西:多分、昔はもっと敷居が高い状態で営業していたというか、こちらが「バンドを選ぶ」という状態だった。今は変な話、バンドが「ライブハウスを選ぶ」みたいなことになってきてますよね(笑)。
それに、皆さんご存知の通りライブハウスが多すぎるんで、バンドを取りあってるような状態なので、もう選んでる場合じゃない…みたいなところがあるんじゃないですかね。
だけどオーディションがなくなったことも含めて今は「来るもの拒まず、埋まるのであれば…」っていう風に思ってるところも皆さんあるんじゃないですか?ライブハウスはどこも苦戦してると思いますよ。
まだそんな中でもブランニューとしてはライブハウスとしての価値が下がってしまうのは嫌だなぁっていうのはどこかにあって、「出たい」っていう人がいたとしても、そのアーティストがどういう音楽やってるかっていうのはまず確認したいなと。それなしにやるのはどうもちょっと違うかなっていうような。もしも動員が入るバンドだったとしても、まず音を確認して、そのアーティストのことを分かった上でブッキングは組みたいなーっていうのが今でもありますよね。