嵐の松本潤が主演するNHK大河ドラマ「どうする家康」の第18回「真・三方ヶ原合戦」が14日に放送され、本多忠真役の波岡一喜からコメントが届いた。

 忠真は、松平家のために代々身を捧げてきた本多家の武将。叔父として忠勝(山田裕貴)に武芸を徹底的にたたき込み、最強武士に育て上げた人物でもある。

 “酔いどれ侍”忠真を演じる上でのこだわりを聞かれた波岡は「『戦の時でも飲む』ということですかね。むしろ戦うときこそ飲んで、シャキっとする。あとは、やはり強さを見せることですかね。本多家は強くあるべきだし、忠勝が強いということは、忠真はもっと強いはず。叔父とおいの関係ですが、強い親子のように見えていたらいいなと思います」と話した。

 「飲みながら戦いたい」ということは、最初から伝えていたという。波岡は「殺陣師の方もそこを理解してくださっていたので、立ち回りでは、酒を飲むタイミングも計算しつつ、強さを見せられるよう意識しました。お酒を飲むにしても、台本に細かくは書かれていないので、飲むタイミング、量、酔い具合も僕のさじ加減。どう演じようかなというのを立ち回りのシーンで一番考えた気がします」と語った。

 第18回で描かれた“忠真の最期”のシーンについては「史実を調べる中で『しんがりを務め、地に旗を挿して“ここから先は行かせん”と戦い、散っていく』というエピソードがあると知り、たけだけしい面を出せたらと思って収録に臨みました」と明かした。

 「でも、実際は難しかったです。『行け、平八郎!』と言うけれど、忠勝ともう二度と会えないことも分かっていたと思うんですよね。わが子のように育ててきた忠勝との別れだと思うと冷静にはいられず、思わず気持ちがあふれ出てしまいました。本番前は『感情を抑えよう、抑えよう』と思っていたのですが、最終的には『素直に感じたままいこう』と腹をくくって臨みました」と振り返った。

 また、「本番では、忠真のそばを離れようとしない忠勝を忠真が殴り、殿の下に行かせようとする。戦では傷一つついたことがない忠勝に、そこで初めて傷がつく…というパターンも撮りました。もともと台本にはなかったのですが、裕貴と話し合って、使われるかどうかは別としてやりたいねとなり、トライしたのを覚えています」とエピソードも披露。

 「忠真は忠勝を本当の息子のように思っていたと思うんです。数々の戦の中で、忠真は何度も忠勝の命を救ってきたし、史実には残っていないですけど、きっと逆に助けてもらうこともあっただろうと思うので、一心同体ですよね」と語った。

 山田とは映画『闇金ドッグス』(16)以来の共演となった。「彼はいい意味で変わらない人です。とにかくいつも謙虚。常に芝居と真っすぐ向き合う姿勢は変わらないです。まだ若いのに、ご一緒して僕自身も勉強になりました。僕も裕貴のことが大好きだし、家臣団のみんなも、彼のことが大好きだと思います。忠勝が裕貴で本当によかったなと思います」と語った。