東京オリンピック開会式クリエイティブチームのクリエイターとして参加し、その創作表現が話題になったパントマイム・アーティストのが~まるちょば、HIRO-PON。前回の大阪公演では半数以上の観客がその舞台を初めて体験した。新しいファンも増え、今回の新作公演『シネマティック・コメディー JAPAN TOUR 2023』は大阪と姫路で開催する。セリフなしでドラマチックにストーリーを展開して約2時間、笑って泣けるパフォーマンスで観る人を引き込む。世界35か国以上で公演し、海外でも人気の高いが~まるちょばならではの舞台だ。今回の公演について、HIRO-PONが意気込みを語った。
「が~まるちょば シネマティック・コメディー JAPAN TOUR 2023」チケット情報
パントマイムは、例えば何もない空間にまるでそこに壁があるかのように表現するイリュージョン的なパフォーマンス。これまで広く知られたこのパントマイム表現を、が~まるちょばは魅力的なエンタテインメントに昇華させた。「今までは“サイレント・コメディー”と言っていましたが、ストーリーのあるパントマイムと知っていただくために“シネマティック・コメディー”と言っています」。
舞台は2部構成。前半は“ショート・スケッチ”と呼ぶストーリー仕立ての短い作品集、後半に新作の長編1本という構成だ。作品は、コメディーにラブストーリー、サスペンスやSFなど、ジャンルは多彩。言葉も舞台セットもない空間で、たったひとりのパフォーマンスにもかかわらず、そこにほかの人物や部屋、登場人物の状況やその思いまでが立ち上がってくる。
物理的にはないものを観客は自らの想像力でそこに作り上げ、登場人物に感情移入して笑い、泣き、感動するのだ。「想像の中で楽しむことのできる表現。観る人がそこに何を感じるかで、見えるものが変ってくる。だから、パントマイムの表現には言葉も舞台セットも必要ないんです。言葉以上のいろいろなものを感じ取って心が動くんだ、ということを知ってもらいたい。お客さんと劇場で一緒に空気を作って楽しむという、ライブならではのパフォーマンスなんです」。
コロナ規制の緩和は「『待ってました!』という感じ」だけに、「大阪は特別」という観客とのコミュニケーションの復活も期待したい。「ぜひ、生で観てほしい。言葉を発さない舞台を文字や言葉で伝えるのはなかなか難しいので、百聞は一見にしかず、です。オリンピックやメディアで、が~まるちょばをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、全然違うことをやりますので、それを楽しみにワクワクしながら舞台を観に来ていただけたらうれしいです」。
関西公演は、6月17日(土)・18日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、7月16日(日)アクリエ姫路中ホールにて。チケット発売中。
取材・文:高橋晴代