「僕は一人っ子で、厳しくしつけようとする母親と、それを止める父親の姿をずっと見て育ちました。

父親は母に『もっと自由にさせてやれ』と言うけれど無視されていて、冷めた雰囲気のリビングで居心地が悪かった記憶ばかり残っています。

両親の仲が決定的に悪くなったのは僕の高校進学のときで、友達みんなと同じ公立高校に進みたかったのに母親は私立高校の推薦を勝手に受け、それを知った父が『いい加減にしろ!』と真っ赤な顔で怒鳴ったのをよく覚えています。

それでも母は『この子のためだから』と譲らず、僕も仕方なくその私立に進みましたが、両親は完全に家庭内別居状態になり。

僕の世話は母親がするけれど、『一刻も早くこの家を出なければ』と私立大学合格を目指して猛勉強しました。