ペッパーズ・ゴーストとは?
監督が撮影に使用した「ペッパーズ・ゴースト効果」。
お化け屋敷の古典的な技法で、ディズニーランドのホーンテッドマンションでも多く使用されています。
例えば、マダム・レオタが降霊術を行った後の舞踏会のシーン。
ゲストが乗るドゥームバギーは2階部分を走っており、目の前にはガラスが貼られています。
ガラスの向こうには食卓などが置かれており、その周りをゴーストがダンスしています。
食卓などは本当に置かれていますが、ゴーストはガラスの向こうにはいません。
ゴーストはゲストの下、1階部分に人形が置かれており、そこにライトが当てられています。
すると、ガラスの正反対に虚像が映り、人間の視点からはガラスの向こうにゴーストがいるように見えます。
このように、ガラスや鏡を使用した効果が、ペッパーズ・ゴーストの簡単な効果です。
ホーンテッドマンションのようなウォルト時代の伝統的アトラクションはもちろん、「美女と野獣“魔法のものがたり”」など最新アトラクションでも使用されています。
画面内の色味に注目
シミエン監督「もちろん私たちは最新鋭のデジタル効果を駆使していますが、デジタル空間で起こっている出来事のようには決して感じられない映画にすることが重要でした。」
デジタル技術に頼り切らないことも、アトラクションを忠実に再現する上で重要だったそうです。
今回の撮影に使われたのは、製作陣がこだわりぬいた巨大な屋敷のセット。
その屋内は、普通の色と、ゴーストの世界の色の両バージョンで作られました。
映画を観ていると、ゴーストが登場していないシーンには明るい色味、ゴーストが登場している奇妙なシーンには、その世界を表す血色感の少ない色味を採用されています。
シミエン監督は、「そうすることで、2つの異なる空間にリアルタイムで出演者たちと一緒に身を置くことができました」とコメント。
このこだわりのセットにより、物語に登場するキャラクターたちの置かれた状況が、リアルに体感できるのです。