『第14帝國トーキングシアター~お魚になった元帥~』より

 

『第14帝國トーキングシアター~お魚になった元帥~』より

――DVDの前半は、映画とステージを融合させたような展開ですよね。

元帥:現在の時の流れを映画で、回想をステージの映像で表現してますね。それが段々一緒になっていきますが。

ただ、映像って何でも出来てしまうので…。ステージで急に人が消えたらビックリするけど、映像だと合成で出来るから誰もビックリしない。そういうところに落とし穴があるのかなと。

お金かけた映画って、凄いんだけどなんかビックリはしない。それはお金かけて期待通りの凄い空間を表現してるからだと思うんです。逆に制約を設けて、それを逆手にとったアイデアで勝負する。そうすると今までに見たことないようなものが出来上がる!…低予算で(笑)。

――途中からは、式典同様シチュエーショントークとバラエティ的な演出のオンパレードになりますね。

元帥:一番気にしたのは、レンタルDVDショップなんかで第14帝國を知らない人が、このDVDを手にとってくれた時にどう思うかなってことで…。
僕がその立場でも「なんだろこの人たち、借りてみよ」って思うものにしたい…いや、「買おう!」ってなるのが一番いいんですけど(笑)。

シチュエーショントークとバラエティ企画とストーリーが絡みあって進むのは、ちょっと興味が湧くかなって。最後にちゃんと一本のストーリーにまとまるところは勿論大事にしてます。

――同時にCDもリリースされますよね?

元帥:そうなんだよ!ミュージシャンではないので…アイデンティティー崩壊の危機なんだ(笑)。人前で歌うのなんて罰ゲームくらいだと思っていたのに、なぜ全国レベルで罰ゲームをせねばならないのかと!

しかもタイトルが、 内容が決まってない時期に「タイトルを決めてください」と言われ、「いま元帥がパッと思いついたものでいいですから!」って言われて。で、『やれって言われたのでCDにしてみました』という大変メッセージ性の強い、作り手の心境が手に取るようにわかるタイトルにしてみました(笑)。

――タイトルからして第14帝國らしいタイトルだと思います(笑)。

元帥:「第14帝國らしい」ってのは大事かも? 軍隊だからね、自分たちのテリトリーで戦うのは戦争の基本(笑)。

ミュージシャンではないなら、何をするべきなのか?突き詰めた結果、一曲目は軍服で歌ったら面白そうな曲。二曲目はストーリー性のある曲になりました。

一曲目の「3秒で答えろ!」は、つい真似してみたくなる、忘年会や新年会で困った時に便利な一曲。歌詞もとても覚えづらい単語の羅列なので、覚えて歌えば、ちょっと自慢できます(笑)。

ちゃんと振付も軍隊らしく“ライフルドリル”(ライフルを回転させる儀仗隊の演武)なども考えたので、PVとか作りたいね。忘年会には間に合わないかもしれないけど、新入社員歓迎会でほうきをライフルに見立ててやっていただけたら嬉しい!

――たしかに軽快なテンポの1曲目と比べると、2曲目の「午前3時の青年」は、ジャズ調で曲調もずいぶん違いますね?

元帥:そうですね。2曲目はストーリー性重視だったので歌詞が伝わりやすいようにしたら、ジャズ調になりました。でも今回、僕には作詞は無理だなと改めて思った(笑)。普段2時間半くらいのストーリー作ってると、3.4分の中にストーリーを押し込めるのはとても難しい!

内容は、世を儚む20歳の青年と、希望に燃える80歳の老人の対比で…僕はオチがつかない話は苦手なので、ちゃんとオチがつくように作ったのだけれども。
こっちもPV作ろうかな?とても絵本的になる。うん、それで“みんなのうた”に売り込もう(笑)。