ここ数年、よく耳にする「マインドフルネス」という言葉。瞑想などを利用して、呼吸に意識を集中することで、何も考えない「無」の状態を作り出す心の訓練のこと。宗教的でスピリチュアルなものとして捉えられる場合もあるが、Googleなどの世界的な企業でも採用されている。 そんなマインドフルネスを手軽に実践できるのが、「Upmind(アップマインド)」というスマートフォン(スマホ)向けアプリだ。Upmindでは、自律神経のバランスを解析し、改善に適した習慣をレコメンドしてくれる。筆者もこれまでいくつかのマインドフルネスアプリを使ったことがあるが、とくに睡眠時にその効果を感じている。今回はUpmindならではの魅力を紹介しよう。
スマホのカメラで自室神経の状態を数値化
Upmindの最大の特徴ともいえるのが、自律神経の状態をカメラで計測できる点だ。心拍変動解析の技術を利用し、30秒間スマホのカメラに指を当てるだけで、自律神経のバランスの状態を計測してくれる。
測定する時間帯によって理想的な心拍数があるので、それによって交感神経と副交感神経のバランスを判断している。たとえば、午前中にぼんやりした状態で計測すると、交感神経が優位であるのが理想だが、副交感神経が優位になっており、リラックスしすぎていると指摘された。逆に、就寝前は副交感神経が優位な状態が理想だが、イライラや不安があると、わかりやすく交感神経が優位になり、スコアが低くなった。
計測を続けることで、自分の自律神経の傾向が分かるのも面白い。また、歩数や瞑想時間などの行動記録も確認できるので、心身のケアができているかどうかを振り返ることが可能だ。
また、このアプリは東京大学大学院の滝沢龍研究室と共同研究に取り組んでいるのも、筆者が安心して使えている大きな理由のひとつだ。専門的な知見を開発に反映し、科学的に信頼できるアプリとなっている。
自律神経を整えるための提案が充実
Upmindでは、自律神経のバランスを整えるのおすすめの過ごし方を提案してくれる。たとえば、調子がいい日の日中であれば、「笑う」「筋トレ」「リラックス音楽を聴く」などさまざま方法を提案された。
さらに、マインドフルネスの第一人者である吉田昌生氏と梅澤友里香氏の監修のもと、瞑想やヨガなどのコンテンツも多数搭載している。5~10分にできるヨガが紹介されており、動画を見ながら学べるのが魅力だ。
子どもの寝かしつけにも役立つ
Upmindは入眠をサポートするための瞑想やリラックス音楽も搭載している。睡眠時間の記録も可能で、iPhoneの場合は「ヘルスケア」アプリのデータとも連携可能だ。
ほかのマインドフルネスアプリでも同様の機能はあるが、特筆すべきは「子どもの寝かしつけ」に特化したコンテンツが用意されている点。「寝かしつけ for Kids」では、子どものための瞑想や寝かしつけ音楽、読み聞かせといったコンテンツが揃っており、タイマー機能を使えば親子で眠ってしまっても安心だ。
なお、すべてのコンテンツを利用するには、月額1650円または年額6600円の有料プランへの加入が必要。無料でも自律神経スコアの計測や一部のコンテンツは利用できるので、最近体調がすっきりしないという人はぜひ試してみてほしい。(フリーライター・今西絢美)