三谷幸喜による新作舞台『オデッサ』が2024年1月8日(月・祝)から東京芸術劇場プレイハウスほかで上演される。

舞台はアメリカのテキサス州オデッサ。日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留されるが、彼は一切英語を話すことが出来なかった。捜査にあたった警察官は日系人だったが日本語が話せなかった。語学留学中の日本人青年が通訳として派遣され、取り調べが始まるーー。

本作に出演する柿澤勇人は「まだ三谷さんの頭の中にしか脚本はないので、正直どうなるか分かりません。ただ一つ言えることは、三谷さんの脚本は天才的で、誰も思いつかないような、一歩どころか何歩も先をいくような本だということ。コメディ?シリアス?どんな結末?楽しみで仕方ないです」。

これまで三谷作品には舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』(2019)とNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022)に出演している柿澤。三谷について「ふざけているのか、真面目なのかよく分からないときもあるのですが、人を本当によく見ている。何もかも見透かされている気がします」と話す。

特に『鎌倉殿〜』の源実朝はハマり役だった。柿澤は「僕はエネルギッシュさや狂気的なところを求められる役柄が多かった。求められることは嬉しい反面、『それだけじゃないのに!』と歯がゆく思っていたのですが、三谷さんは僕の『それ以外』の部分を見抜き、実朝のような役もできることを分かってくれていた」とも。

共演する宮澤エマについて、柿澤は「彼女の初舞台が最初の共演でした。その時はショービジネスで成功を夢見る若者たちの話だったんですが、気がつけば大河ドラマで共演して、三谷さんの作品でまた共演出来るなんて。当時の我々からは想像もできない嬉しい未来です」。また、迫田孝也とは『愛と哀しみの〜』で共演しているが、「彼はいじられキャラではありますが、実はものすごく真面目で繊細で誠実。今回の共演も楽しみ」とコメント。

2024年の1作目となる。柿澤は「2023年はミュージカルに3本も出演して、歌ってばかりの一年でした(笑)。何か成長できていたらいいのですが」と今年を振り返り、「24年は僕にとってエベレスト級の大きな山が待っている。挑戦しなくてはいけない1年になりそうです」。
そして「三谷さんの3年ぶりの新作舞台。皆さまの期待以上のものをつくれると信じています。素敵な観劇始めだったなと思ってもらえる芝居をしたいと思います。お楽しみに!」と語った。

取材・文:五月女菜穂

■公演情報
舞台『オデッサ』
公演期間:2024年1月8日(月・祝)~1月28日(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス