ダンスと演劇、J-POPを組み合わせたエンターテインメント集団「梅棒」で活躍し、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンやMANKAI STAGE『A3!』シリーズでは振付を担当する遠山晶司が自ら脚本・演出・振付を務める「遠山ドラマティア」の第2弾公演『C’est Promis(セ プロミ)』が上演される。9月下旬に稽古場の様子が公開され、遠山が本作への思いを語った。
前回の第1弾公演『Fight For F』では、全編「BUMP OF CHICKEN」の楽曲を使い、ノンバーバルでダンスとアクションで物語を紡いだが、今回の『C’est Promis』はセリフを用いて展開。九州・筑後地方で語り継がれる翼を持った「羽犬」の伝説をベースに、戦国時代を生きる人々と現代に生きる母娘の物語が交錯。タイトルの「C’est Promis」はフランス語で「約束だよ」という意味の会話表現で、まさに時空を超えた、ある“約束”を描き出す。
この日の稽古から、古谷大和が本格合流し、全員が揃ってのオープニングシーンの動きの確認からスタート。天下統一を目指し、九州を平定した豊臣秀吉軍と、平定後も抵抗を続ける九州の大名の軍勢の戦いが、ダンスと殺陣で表現されており、ハードなロックナンバーに乗せて、刀や鎌、棒など思い思いの武器を手にした九州国人軍と秀吉軍の面々がダンスを披露。さらに古谷がキレのある殺陣を見せる。ハイクオリティのダンスと殺陣でオープニングから観る者を圧倒するシーンとなっており、遠山、そして振付を担当するYOUの指導にも熱が入る。
ちなみに、使用楽曲はJ-POPを中心にした選曲で構成されており、中でも「SEKAI NO OWARI」の楽曲が複数使用されている。遠山は、現代パートの序盤で物語が大きく動き出すあるシーンに言及し「(このシーンの)構想が浮かんだ時、SEKAI NO OWARIさんのある曲が最初からガチッとハマっていました」と明かす。他のシーンに関しても「シーンをイメージして選曲していく中で、“音”から新たなインスピレーションをもらって、セリフや動きが浮かんできてという感じでハメていきました」とふり返るが、特にセカオワからは「インスピレーションを受けた曲が多かった」とのこと。「ちょっと悲劇的でファンタジーな感じ」が遠山が紡ぎ出す物語ともマッチしているよう。
前作と異なり、セカオワ以外にも多彩なアーティスト、ジャンルの楽曲が散りばめられており、ここに情感あふれるダンスを組み合わせつつ、どんなドラマを見せてくれるのか楽しみだ。
『C’est Promis』は10月5日(木)よりこくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京)にて開幕。
取材・文:黒豆直樹