夜景鑑賞の中でも、ひときわ恋愛モードにいざなうイルミネーション夜景。なぜロマンチックな心理状況に陥るのでしょうか?
今回は、夜景評論家の丸々もとお氏に「夜景心理学」の観点から、イルミネーションの恋愛効果を分析していただきました。
自ら恋に落ちる暗示をかけてしまっている
人はもともと、ビビッドな色が組み合わされた光や、強い光に興奮する傾向があります。夜の遊園地や繁華街を歩いているうちにいつの間にか”ドキドキ“してしまったという経験がある人は少なくないんじゃないでしょうか。
このような”ドキドキ“の原因は、大きく分けて2つあります。ひとつは心臓の鼓動が早くなったり呼吸が乱れたり、といった自律神経系の活動によって引き起こされるもの。そしてもうひとつは脳の活動水準が高くなるなど中枢神経系の活動で引き起こされるものです。
本来心臓がドキドキしたくらいでは、感情まで左右されることはありません。しかし、はっきりとした理由もなくドキドキすると、自分がなぜドキドキしているのか、その理由を知りたくなるのが人の常。
そしてこの”ドキドキ“の理由づけを考える時に、ルミナリエやクリスマスイルミネーションなどの光の持つイメージが強く作用するのです。つまり、恋人や愛する人と共に見る夜景だということ。
そこで、心のどこかで運命の人との出逢いを待っている人(実は今現在付き合っている人はいても、きっとどこかに自分を待つ”運命の人“がいると思ったりしませんか?)、恋人選びに慎重な人、今付き合っている人との仲を深めたいと思っている人までもが「この人こそが運命の人だ!」と自己暗示をかけてしまいやすいのです。
言い換えれば知らず知らずのうちに、自ら恋に落ちる心構えをしてしまい、雰囲気に背中を押されるままに恋してしまうのです。