「夫から離婚を切り出されたのは、一人息子が就職で家を出て一年経ったときでした。

夫婦ふたりの暮らしになったこの一年、私はこれまでの時間を取り戻すようにジムに通い友達と会い、週末は自分の寝室にこもって読書やネット三昧で、夫とは家庭内別居状態だったと思います。

最低限の家事しかやらず自分の食事の用意もしない私に、最初の頃は大声で文句を言っていた夫でしたが、『これまでずっと家庭の犠牲になってきたのは私だから』と返すと黙り、顔を合わせても無視するようになりました。

友人たちからは『そのうち離婚とか言われるんじゃない?』と心配されたけど、正直に言うとそんな度胸は夫にはないだろうと思っていましたね……。

ある日、ジムから帰るとテーブルの上に夫の欄が埋まった離婚届が置いてあり、『しばらく実家に戻る』と書き置きが。

さすがに焦って夫に電話すると、『犠牲になってきたとまで言われて、一緒に暮らす気になれない』とバッサリ。