17世紀オランダ絵画の巨匠、フェルメールといえば、今、西洋美術で一番の「キラーコンテンツ」と言われています。
それは、たった1点来日しただけでも、50万人もの集客力があるからです。
静謐でストーリー性のある作風や、緻密に描きこむ技法、ラピスラズリをはじめとする高価な画材を使った彩色など、フェルメールの絵画は、まさに日本人好み。しかも、わずか30数点しか現存していない「レア度」も、プレミア感を増長させます。
そんな希少性の高いフェルメール名画が3点も来日し、現在、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで公開され、話題となっています。昨年、東京に先駆けて開催された京都展では、38万人が来場。季節は夏、異様に暑いことで知られる京都の会場では、猛暑に耐えながら、鑑賞するために行列ができたそうです。
それが、『フェルメールからのラブレター展』です。
先日開催された内覧会では、フェルメールの傑作《手紙を読む青衣の女》が修復後、世界初公開されていることもあり、多くの報道関係者が集まりました。本展の監修者であるダニエル・H.A.C.ローキン氏(オランダ・プリンセンホフ博物館キュレイター)も来日し、フェルメール絵画の魅力について解説してくれました。
「フェルメールは、絵画の芸術性を伝えるため高価な画材を使用したり、緻密に描き込みました。1つの作品に時間をかけ、パーフェクトであることを追求しました。そのため多くの作品は残していませんが、唯一無二の画家となったのです。ぜひ、描かれているリボンやジャケット、椅子などのディテールに注目してみてください」(ローキン氏)
【修復後世界初公開】
《手紙を読む青衣の女》ヨハネス・フェルメール
1663-64年頃 アムステルダム国立美術館、アムステルダム市寄託
《手紙を書く女》ヨハネス・フェルメール
1665年頃 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
《手紙を書く女と召使い》ヨハネス・フェルメール
1670年頃 アイルランド・ナショナル・ギャラリー、ダブリン
本展は、“コミュニケーション”をテーマに、フェルメール3作品のほか、17世紀のオランダ絵画における巨匠たちの作品を含む約40点が展示されています。そのどれもが、手紙を描いている姿であったり、家族や身近な人々との交流が描かれていて、作品解説のキャプションを読みながら興味深く鑑賞することができます。また、展示会場に併設されたミュージアムショップでは、フェルメール作品をモチーフにした公式グッズのほか、手紙にまつわる文房具や、ハンドメイドのキャンドルなどが販売されて、人気を集めていました。
シーリングワックス1,890円、1,680円、封蝋板1,575円(写真左)
ガラスペン 2,415円(写真右)
展覧会オリジナルキャンドル(会場限定販売)
手紙2種:1,890円 中3種:3,150円 大2種:5,250円