帝国データバンクが冬季賞与について調査

帝国データバンクが11月16日から30日にかけて全国の2万6972社を対象に実施した調査(有効回答企業数は1万1396社)によれば、冬季賞与(ボーナス、一時金、寸志などを含む)の1人当たり平均支給額が前年比で「増加」する企業は24.1%に上昇したという。同調査は2020年から始まり、今年で4回目となる。

旅館や観光業などで増加

「賞与はあり、増加する(した)」との業界は、特に旅館・ホテル業やリース・賃貸、観光関連、ポスター、チラシなどを扱う紙類・文具・書籍卸売業界で顕著だったという。

一方、「賞与がない」と回答した企業は全体の12.2%とのことだ。特に「繊維・繊維製品・服飾品小売」業界は40.2%と2年連続で4割を超え、「飲食店」業界も32.3%。ただ、これらの数値はいずれも前年よりも5ポイント以上低下しており、賞与を支給しない企業は減少傾向にあるとのことだ。

業界別に見ると、六つの業界で冬季賞与が増加する割合が2年連続で高まったという。主にインバウンドを含む旅行需要の拡大や対面型サービス、建設業界で増加傾向が見られたとのことだ。また、冬季賞与が2年連続で増加する企業は10.3%で、前年から1.7ポイント上昇。賞与を増やす企業からは「受注残はバブル期以上」(鉄骨工事)、「観光客およびオフィス勤務の回復」(コンビニエンスストア)、「円安によるインバウンド需要の拡大」(旅館)といった声があがっているという。

さらに、23年の冬には企業の79.9%がボーナスや一時金などを含む何らかの賞与を支給する予定とのこと。実質賃金の減少が続く中、帝国データバンクでは賞与の増大で消費拡大の起爆剤となることが期待されるとしている。