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 1月5日からテレ東系にてドラマ24「闇バイト家族」が放送開始となる(毎週金曜深夜24時12分)。人生のドン底に落ち、闇バイトに加担した5人の老若男女が、“とある事情”からニセ家族を演じつつ、人生の再起を図る様子を描いた異色コメディーだ。主人公で闇バイト家族の長男・田中颯斗を演じる鈴鹿央士と、ワケありヒロインで闇バイト家族の長女・久保美咲を演じる山本舞香が、撮影の舞台裏や作品への思いを語ってくれた。

ー“闇バイト”をテーマにした異色の作品ですが、オファーを受けたときのお気持ちは?

鈴鹿 「放送できるのかな?」とやや心配でした。

山本 私も、「挑戦的な作品だな」と思いました。

鈴鹿 ただ、撮影が進むうち、エンタメとして描くからこそ、伝わるものもあるのかな…という気がしてきました。コメディーなので笑いは盛りだくさんですけど、それだけではなく、社会風刺的な一面も持った作品になるんじゃないかなと。

山本 逆に“闇バイト”が社会問題になっている今だからこそ、皆さんが見やすいコメディーという形でやる意味があるんだよね、きっと。テーマは“闇バイト”でも、それ以上に赤の他人5人が、ニセ家族を演じる中で、それぞれの心の闇が明らかになり…という人間ドラマの一面もあるし。

ーお二人が演じる役について教えてください。

鈴鹿 颯斗は、人生のいろんな問題から逃げて、逃げて、逃げ続けた末、闇バイトに手を染めることになった青年です。でも、決して特別ダメな人間というわけではなく、僕自身も似たような部分はあるので、台本を読めば読むほど、「寄り添ってあげたい」という気になりました。

山本 美咲は秘密を抱えていて、闇バイト家族として出会った他の4人とは、少し距離を置いているんです。だから、最初は全然笑顔を見せなくて。そこからどんなふうに、みんなと距離を縮めていくのか…。そこがひとつの見どころです。

ー闇バイト家族を演じる5人は、お二人のほかに父親役の光石研さん、母親役の麻生祐未さん、祖父役の綾田俊樹さんと、大先輩の方々がそろっていますが、その中でご自身がお芝居をする上で心がけていることは?

鈴鹿 颯斗は、コメディーにも真っすぐにも振れるキャラなので、どんなふうに演じたらいいのか、いろいろ考えました。でも結局、他の皆さんがどうくるかわからないので、皆さんのお芝居を受け止める心構えだけはしておいて、あとは現場で作っていこうと。

山本 美咲に関しては、他の4人と距離を取っているところから、次第に心が寄り添っていくようなお芝居を心がけています。ただ、監督がいつも予想もしなかったような演出をしてくださるので、そのたびに「美咲ってこういう子なんだ!?」と、驚きと発見の連続で。

鈴鹿 まだ撮影が始まって間もない時期ですが、現場は皆さん、早くもアドリブ全開で、ものすごく面白くなっていますよね。

山本 ものすごい化学反応が起きてる。100%面白い作品になることは間違いないよね。

鈴鹿 ただ、僕はそれについていくのに必死です。でも、そんなぜいたくな悩みに浸れるのは、幸せなことだなと。

山本 私も、現場の空気感と皆さんとの掛け合いのバランスの中で、いい作品を作れたら…と思ってる。一緒に頑張ろうね。

ーお二人は今回が初共演ということですが、共演前後で印象が変わった部分はありますか。

鈴鹿 山本さんのことは、今までテレビで拝見し、「うそなく物事を伝える方だな」と思っていました。その真っすぐさがすてきで、僕自身、どこかうらやましさも感じていたんです。ご本人にお会いしても、その印象は変わりません。でも、そんな山本さんのおかげで、現場がとても居心地のいい空気になるんです。それは新たな発見でした。

山本 そんなふうに言ってもらえて、すごくうれしい。鈴鹿くんのことは、テレビで拝見して、落ち着いた人だと思っていたんだけど、実際に会ってみたら、それだけでなく、すごく気を遣ってくれる一面もあって。極寒の野外ロケの時なんて、皆さんにスープを配ってくれたり…。きちんと全体を見て、気遣いをしてくださる座長さんだなと。

ー本作では赤の他人の5人が家族になるという点で、世界的も流行っている“疑似家族もの”の要素もありますが、その点に関してはどんな期待感を持っていますか。

鈴鹿 闇バイトのためにニセ家族となった5人が、どうやって人間関係を築き上げていくのか。そこもこのドラマの見どころになります。ただ、基本はコメディーで、メッセージ性を強く打ち出しているわけではないので、うっすらとでも「人とのつながりを大切にしたいな」と思って頂けたらうれしいですね。

山本 私たちは職業柄、仕事で疑似家族になることが多いんです。そういう意味では、今回も楽しい家族になれそうな気がします。

ー最後に、お二人の今年の抱負をお聞かせください。

鈴鹿 僕は今年、年男で、このドラマの放送中に24歳の誕生日を迎えるので、幸先のいいスタートを切って、いい1年にしたいです。

山本 私はそろそろ結婚したいです。でも、その前に相手を見つけなきゃいけないんですけど(笑)。

(取材・文/井上健一)