状況が違う「二股」の内容

自分が浮気相手だと自覚のある男性は、朱美さんに「彼氏より自分を優先しろ」など無茶な要求をすることはなく、空いた時間に会えればいいような気軽さに朱美さんは安心していたといいます。

「でも、いま思えば彼にとっては私のことなど遊びでしかなくて、浮気相手でむしろラッキーくらいの気持ちだったのかもしれません。本当に私のことが好きなら、彼氏と別れてほしいとか言いますよね?」

朱美さんは苦しそうな表情でそう言いますが、最初から「コブ持ち」の自分について男性からどう見られるか、想像していませんでした。

「彼氏とはラブラブでした」と振り返る中身は、常に彼氏のほうから積極的に連絡やデートの誘いが来る状態で、愛されている実感が強く別れる気は起こらなかったといいます。

朱美さんの行きたいお店を優先してくれて、週末のお泊りデートでは雰囲気のいいホテルに連れていってくれて、「私が不機嫌になったら慌てて謝ってくるところがかわいくて」と、関係の主導権を握っているのは朱美さんでした。

男性側から告白して始まった交際なら、「続けたいなら彼氏のほうががんばるべきでは」と朱美さんが思っていることは、いかに愛されているかを説明する口調で伝わりました。

そんな状態だから二股ができるのであって、何もしなくても勝手に愛情を注いでくれる彼氏と、自分への関心に物足りなさを覚える浮気相手と、自分の好きなように振る舞える刺激のある日々でした。

「浮気相手のほうは私が追いかけないと会えないけど、そういうストレスも彼氏といると甘やかしてくれるから消えるのですよね。

だから彼氏が一番だったし、浮気相手が私に本気になってくれていたらまた変わったかもしれないけど、最後まで彼氏と別れるつもりはありませんでした」