そして迎えた誕生日

そんな戦場から救済された女の子は、病院のテントに送られることとなる。その途中に兵隊や医師とコミュニケーションを取る機会もあるが、彼女の表情は全く変わらず、心を閉ざしてしまっているようなのである。その感情が消えてしまった女の子の表情は、戦争の恐怖がどれだけ子供たちを蝕んで行くのかを十分すぎるほど伝えてくれているのだ。

そうして、迎えた新しい誕生日。そこでの彼女の表情が最初の表情とあまりにかけ離れていて、同一人物であるのかと思ってしまうほどだ。そして彼女の隣には母親だけが寄り添い、去年とは全く違うケーキを彼女に差し出しているのだ。一年前にいた家族たちは今頃どうしているのだろうか。

 

犠牲になるのは常に子供たち

去年、国連はシリアの難民が2014年には4万人を超えることを発表した。この事実は、世界で最大の難民数である。そして4万人のうち、約半分の2.5万人が子供たちであるのだという。この数は、いかに戦争が子供たちを犠牲にしているかを物語っている。

そうして設立されたのがSave the Childrenである。戦禍で食べ物も服も、医療ケアもなく生きている難民の子供たちに寄付を募るこのサイトは、今月5日に始まってからすでに10.7ミリオンのアクセスを超えたそうだ。彼らの目標金額は$75,000(日本円で860万円ほど)。すでに目標金額の半分を超え、480万円ほどに達している。

日常がこのような戦争や内戦を非現実的なものにするのは仕方がないことである。しかしこういったビデオは、またわたし達の気持ちを現実に引き戻し「何ができるのか」と具体的に考える貴重な時間を与えてくれるのだ。

3.11の地震で、日本が他国から受けた救済援助は莫大な数であった。多くの人々がわたしたちに愛を与えてくれた。そして今、わたしたちが戦禍で生き抜く子供たちにできることはいったい何なのであろう。できることはきっとあるはずである。 

サンフランシスコ在住のボディイメージ/フェミニストライター。からだにまつわる世の中の動きや美の基準をもとに、真の美しさとは何かを追求しながら執筆中。また、アメリカ移住をきっかけに、使うもの・食べるもの全てをオーガニック製品へ移行。からだと心によいものを追求する、オーガニック食品・化粧品オタク。